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March 25, 2005

タロウのD通信第19号

――――――― ヨーロッパ連合 ―――――――
ドイツに住んで1年半の時間が過ぎようとしております。光陰矢のごとしあっという間の1年半でした。思い返せば、何も知らずに当地に赴任しました。そこでまず目にしたことは当地の人が皆で努力してEUという、新しい国づくりをしていることでした。またその動きが毎日のようにメディアで放送される事実は、国づくりや政治とはどういうものかということを改めて考えさせられ、新鮮な気持ちになりました。簡単におさらいをしましょう。その動きは統一通貨 ユーロの導入で一般の人にも触れることになりました。最初は世界史で習った、ベネルクス関税同盟(1948年)発足に始まり、1958年のEECの発足を経て、50年以上の時間を掛けて、現在では旧東欧諸国も含めて25カ国4億5千万人をようする地域共同体にまでに発展しております。EUは当初のゆるい国家間同士の協定といる性格から、冷戦の終結、アメリカの超大国化、グローバリゼーションが進むにつれ、次第のその性格を国家間協定から擬似国家建設へと変貌させております。特に冷戦終結以後はその動きが顕著となり、すでに独自の憲法まで起草され、今では一つの政治・経済の連合体となっております。その中身を見ていくといくつか面白い点に気がつきます。トリビアの泉風に質問をします。 - 欧州共同体の旗?:これは皆さんご覧になった方も多いかと思いますが、ブルー地に金色の星です。それでは質問です。この星はいくつですか?またこの星は星条旗のように加盟国が増えるとそれに比例して増加しますか?回答です、星の数は86年にスペイン、ポルトガルが加盟した拡大ECの国家数12です。これは加盟国の数が増えても変わりません。覚えておいてください。 - 欧州連合の連合歌はベートーベンである?: 回答はYESです。日本でもおなじみの第9番歓喜の歌です。 - 欧州連合は3権分立?:欧州連合は擬似国家といいましたが、その通り欧州議会(Parliament)や裁判所(Court)また行政をつかさどる委員会(Commission)があります。しかし実は3権分立ではないのです、それに加えて理事会(Council)と言う組織が加わっているのです。これは加盟国それぞれの閣僚が集まり構成する閣僚理事会(Council)がその実働部隊として機能して各国間に利害の調整をしている機構です。これをあわせて4権分立と言われております。 これはある面島国育ちで他の国の動きに疎い我々にとっては、大いに参考になる機能です。アメリカは大統領制の元、議会の抵抗反対を受けながら、外交では、国務長官がすべてを一手に引き受けます。また国務長官は自国の事のみならず中東問題など他国のことにも当然のように干渉します。一方ヨーロッパは理事会を作ることで、いわば国際連合のような組織を自前で有していることになります。多くの国があらゆる利害を異にしながらもまとまっていく。それだけにこの理事会の決定は重要です。時として国内の取り決めに優先することもあります。現実にはEU内ならばどこをドライブしても快適な環境を得られること、これも理事会の努力の賜物と思います。 今日本での政府と国会間での郵政民営化の議論などを伝え聞けば、我国は果たして3権分立なのかとふと疑問に思いました、司法は独立しているにせよ、国会と内閣はまったく一つのような感覚さえあります。議院内閣制だから当然なのでしょうか? 大日本帝国憲法は実質3権分立を標榜しておきながら実質は一つのエンティティーでした。それがあの戦争を引き起こしたといわれております。今日本ではまた司法が機能しているのでよいのですが、これが機能しなくなったらどうなるでしょうか?考えただけでも将来が危惧されます。 一方で戦勝国主導により設立され、いまだに日本やドイツに対して敵国条項を設けている国連の位置づけがはっきりしない中、国連も新体制を模索しております。その方向を正しく見つめるためにも、今のヨーロッパの新しい取り組みはきわめて新鮮であり、参考になると思います。 もう少し知りたい方は: http://europa.eu.int/index_en.htm ――――――― ライスとビーフ ――――――― 先日ライス国務長官の牛肉解禁の要請に対する首相のコメントを聴いていて、気になったことがありました。というか同政権がここまで何とかやってきた理由が少しわかったような気がしました。即ち、首相はアメリカや中国などの大国の泣き所をよく知っている人ということです。具体的にはライスさんの期待する解禁の要請には何も具体的な回答はせずに、国民の安全のために科学的見地から早期に検討を続けると回答したことです。ご承知の通りアメリカは民主主義国家ですので、このコメントを言われると、原理原則からいって受け入れざるを得なくなります。一方対中国では靖国です。中国はこれを原理原則としておりますので、これ話題を肯定的であれ、否定的であれ持ち出されるとすべての眼がそこに集中してしまい。他の事は一切関知しなくなる傾向があります。これにより市場まれに見る対米親和政策がすすんだのではないでしょうか?しかしながら大陸国家はしたたかです、このような小手先な対応は長くは続きません、このあたりのトリックが見破られた後、本当の力が試されます。 長い冬が過ぎたと思ったら、瞬く間に本当の春がやってきました。最高気温も20度近くまで上がり、周りは野鳥の声でいっぱいです。よい季節です。ビールがうまい。それでは次号でお会いしましょう。

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