« タロウのD通信第19号 | Main | タロウのD通信第21号 »

May 01, 2005

タロウのD通信第20号

――――――― 90秒で106人の犠牲者 ――――――― 日本において、この4半世紀でもっとも大きな列車事故が起きました。107人もの 尊い命が犠牲となりました。ここドイツでもこのニュースは大きく報じられまし た。日本と同じように鉄道大国としてまたフランスと並び世界に誇る高速システ ムを持つ国としては大きな関心があるようです。今回の事件に対する一般のコメ ントは何故わずか90秒の遅れのために無理をしてあのような大事件を起こしてし まったのか、またそこまでして時間に正確になるべきかといった、日本の鉄道神 話の核心に触れるコメントが多いようです。実はドイツでも7年前に101名がなく なるといった大惨事が起きております。記憶のある方は多いと思いますが、もう 一度おさらいしましょう。電子百科事典のWikipediaによると下記の通りです。 1998年6月3日ミュンヘン発ハンブルク行きICE884列車 (ICE1で運行) がハンブル ク南方のエシェデ (Eschede) 駅通過後、約200km/hで走行中に、3両目の客車が 軌道から右手に外れ、道路橋の橋脚に接触、道路橋は5両目の客車上に崩落し、6 両目以降の客車がこれに折り重なるようにして次々と大破した。死者は101人に 上り、ドイツの鉄道事故としては最悪の事態となった。原因はICE1に使われてい た弾性車輪で、1両目客車の後位より台車の前方軸の車輪が破断、これが引き金 となって2・3号車が脱線しこのような惨事を招いた。ICE1はもともと一体圧延車 輪を使用していたが、枕バネがコイルバネのためICE2と比べて乗り心地が悪く、 弾性車輪への取替えを行っていた。この事故後全ICE1の車輪が一体圧延車輪に戻 された。 他の資料で調べたところ、上記の弾性車輪とは簡単に言うと車輪にゴム製のタイ ヤが巻かれたタイプではドイツでは古くより在来線に使用されており、このタイ ヤが破裂してこれが原因となり大惨事を招いたとの事です。なおこれは快適な走 行を保障する、ドイツ鉄道のこだわりの部分であったとのことです。結果的にこ のドイツの事故も自らの誇りを過度に信じてしまったことが背景にあったと結論 付けております。東西の鉄道大国で相次ぐ大事故、お互いに見習う姿勢があれば 予防は出来たかもしれません。 ところで今では国際空港のフランクフルトよりデュッセルドルフまではICE専用 の新線が開通し最高速度300km、200km強の距離をわずか1時間20分台 です。ただし相変わらず遅れは常識化しており、常に20分程度は余裕を見ておく ことをお勧めします。
――――――― 常任理事国への新規加入 ――――――― ここドイツでも常任理事国への加入問題はホットです。先日分裂国家仲間の韓国 の盧大統領の明確な支持演説はドイツ人を勇気付けました。一方隣国のイタリア では根強い反対論があります。なぜ独日は常任理事国加入にこだわるのでしょう か?またこの話の根っこはどこにあるのでしょうか?その答えは言うまでもな く、第二次世界大戦の敗戦にあります。一方であまりマスコミも話題にしません が、国連憲章には独・日両国などの旧枢軸国(正確にはこれに加えてルーマニ ア・ブルガリア・ハンガリー・フィンランド)に対しては敵国として53条で規定 をしており、相変わらず現在まで戦争犯罪国としての位置づけを残していること あげられます。具体的にはこれらの国が不当な行為を行った場合、安全保障理事 会の決議を経ずに制裁が出来るといった差別がまだ残っているものです。その意 味では世代が変わってもドイツや日本は敗戦国といった看板を背負わされている というのが現実です。今こそ日本の政府もこの点をしっかりと世論に訴え真摯に 国民に伝える努力が必要ではないかと思います。実際にこれらがあることによ り、中国東北地区や山東にあった日本の財産は有無を言わせずに没収されたり、 ドイツでも領土の問題はもとより、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンの特 許権を剥奪されたりとした苦い経験があります。これらをもう一度しっかりと認 識し、もう一度戦争の誤りを考え直すことが今の政府・国民の役割ではないで しょうか?ところで飛行機の発明はどこの国の誰がとったかご存知ですか?一般 には1903年のライト兄弟の動力飛行が有名ですが、実はその前の1893年にド イツのOtto Lilienthalがすでに無動力飛行機(グライダー)で国際特許を取得 しております。しかしながらドイツの敗戦により一切の特許は没収をされ、それ に合わせて歴史の表舞台から葬られ、ライト兄弟のみが歴史に残ったというのが 現状のようです。ドイツ人のこれらの事実に大きな悲しみと過去の過ちの重大性 を改めて感じております。さて日本はどうでしょうか? ――――――― 第3次国共合作 ――――――― 現在台湾の連戦国民党主席が北京を訪問し胡錦濤国家主席と面談をしておりま す。これは歴史的に見て非常に大きな話題にて当地でも大きく報道されておりま す。国共合作は1927年の対軍閥に対する国民党と共産党の共同戦線の組織を持っ て第一次、その後日華事変に合わせて対日統一戦線を組織したときを持って第二 次としております。その後はご存知の通り49年の国民党軍の台湾への退避により 現在の中国・台湾問題の基礎が作られました。ところで今回の連戦主席の訪京は ある意味では大きな意義があります。即ち進展の方向によっては、現在の台湾の 民進党政権を頭から米国傀儡政権として認めないといった考え方に発展する可能 性があります。実際第二次合作の時には当時の南京の汪兆銘政権を日本の傀儡と して否定し、それから抗日戦争が本格化して経緯があるからです。当地の論調で は先の台湾に対する反国家分裂法の成立を絡めて、今後の動きを注視するとの考 えかたが一般的です。米国が主張する民進党政権は民主主義に基づいて出来た正 当政権という考え方と、中国が従来より主張している台湾問題はあくまでも内政 問題との考え方が真っ向からぶつかるかもしれません。時を同じくして米国が日 本の常任理事国入りを強く支持しました。これらの一連の動きが一体化したとき 東アジアがどうなるのか一抹の不安をもつことは果たして杞憂といえるでしょう か?日中間がギクシャクしている中、普通ならば効果的に機能する国際間のバラ ンサーが効かない状態になっているようにも思えます。 当地は本格的な春を迎えております。我が家の周りは朝早くから夕暮れまで小鳥 のさえずりが聞こえ非常にさわやかです。一日中自然が奏でるクラッシック音楽 を聴いているようで、ドイツの春を満喫しております。 チュース

|

« タロウのD通信第19号 | Main | タロウのD通信第21号 »

ドイツ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/76174/3933822

Listed below are links to weblogs that reference タロウのD通信第20号:

« タロウのD通信第19号 | Main | タロウのD通信第21号 »