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December 16, 2005

タロウのD通信第32号

――――― 隣国フランス① ―――――

ドイツに住んで3年目となるが、お隣の大国フランスのことは良く分からないことが多い、隣の国なのに言葉も通じず、家の形や食べるものも大きく異なっている。また片やネアンデアルタール人の遺跡が発掘された国、もう一方はクロマニヨン人の遺跡がある国と、対抗するものも多い。すでに訪問した英国やオランダ、ポーランド、スイス、オーストリアと比べても大きな違いがあるような気がする。今アジアでは東亜共同体という、欧州共同体を模した新しい仕組みが提案されるに置いて、日中の不仲は大きく報じられるところだが、実際欧州共同体の領袖であるがかつては犬猿の仲といわれた独・仏両国はどのようにして溝を埋めていったのであろうか、興味は尽きない。またこのことの本質を知ることはヨーロッパに居住するアジア人として将来の道しるべとして、是非知っておきたいことでもある。そこでこのような大課題に対して恐れもなく自分なりに挑戦をしていきたいと思っている。記憶の不正確な点や、記述のあいまいな点はご容赦いただくとして、お付き合いをお願いします。

そもそもローマ時代には未開の地域であった両国だがカエサルがガリアをその版図に組み込み、ゲルマン攻略の拠点としてそのガリア(フランス)を育てたのが両国の抗争の始まりと思う。したがいベネルクス3国を北ガリアとして考えると、地理的には両国を分ける境界線は大雑把に言ってライン川といってよい、スイスのバーゼルから北に流れるライン川は東にドイツのバーデン=ブルテンブルグ州、ラインラント=プファルツ州、西にフランスのアルザス(オーラン県、バラン県)を分けている。一方その後はドイツが川の両側を占めるようになる、それとともにフランスとの国境線がなくなり代わりにルクセンブルグ、ベルギーそしてオランダのベネルクス三国がドイツとの国境を接する、すなわち両国から見ればベネルクス3国は緩衝地域である。現実にも両国が直接境界を接しているアルザス地域は古くから仏独両国の奪い合いの対象となっており、今日でもドイツの文化を持ったフランスの地域といった趣がある。

その後の歴史はお互いにローマ帝国の支配下に入りその後フランク王国として統一されまたすぐに今のフランス・ドイツ・イタリアに相当する国家に分裂した。しかしこの時以来の歴史にはローマ時代のように版図の拡大が目的ではなく、それぞれ一個の独自の国家として形成、統治が必要となったのである。またその統治をサポートする上で鍵となるのはキリスト教の存在であると思う。フランク王国はローマカトリックを国教として宗教を利用しての国家統治をすすめた、これは朝鮮半島の儒教の例は別として、我々アジアの国家ではあまり例がない大きな違いであると思う。イタリアはローマ教皇庁がバチカンにあり、すでに宗教的にはオーソライズされた地域であり、また北にアルプスがあり、またそれ以外は3方を海に囲まれた半島という地理的な条件によりその領土は保全された。しかしながらフランスとドイツはお互いに境界を接しており、常に緊張状態にあった。フランスは英国との戦争があり、対抗するためにひとつにまとまる必要があり、また地理的にも耕作可能な大平原を抱えていたために効率的に統治する為に中央集権制をとっていった。一方ドイツは北部平原を除く多くの土地は丘陵地帯であり、それらを覆う森の存在もあり、横(東西)の交通が良くなく、結果として地方分権的な政治形態となっていた。ただし両国に共通していたのは国家統治を進めるにあたり双方ともにキリスト教(ローマカトリック)の利用を手段として選択したことであった。結果としてドイツはその権威を神聖ローマ帝国皇帝としてローマカトリックより認めてもらう方法をとった。一方フランスはアビニョンの捕囚に代表されるようにローマ教皇庁自体をフランスに持ってくることを考えていた。当然のことながら、その後この両国の統治の違いがそれぞれの発展過程において、宗教改革やプロテスタントの創出による宗教上のぶつかり合いまた、お互いに西欧の盟主となるべく激烈な覇権争いをおこなうことになるのである。

続く。。。。


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