« タロウのD通信第36号 | Main | タロウのD通信第38号 »

January 26, 2006

タロウのD通信第37号

――――― ステークホルダー ―――――
本日の産経新聞によるとアメリカのゼーリック国務副長官が中国を訪れ、唐突に我国と貴国はステークホルダーの間柄であり利害をともにすると発言した旨の記事があった。これに対して中国側は初めて聞く単語であり、その真意を測りかね種々議論をした結果『利益相関者』という訳語を当てたとの事です。この記事を見て思い出したのは私がいた商社でもバブル崩壊後MBA研修なるものがブームになり、研修上がりの若手社員が盛んにこの単語を多用していたことを思い出しました。

その時私が受け取った意味は、会社の所有者はステークホルダーである。ここで言うステークホルダーとは経営者、社員、株主を指すとの事でした。しかしながら現実にはライブドア事件などを見てみるとすでに社員はステークホルダーには入って居らず経営者と株主のみの所有物であることが良く分かります。昨年末のライブドア社の株主総会でホリエモン氏が株主から配当がないことについての株主軽視発言に対して、涙を流して弁明している姿が気になりました。我々が若き時を過ごした会社は上司との個人的な信頼関係を支柱として、お互いに利害を共有することで経営者と社員の一体化を目指し、それが大いに機能したわけですが、今ではその関係は単なる支配者と被支配者の関係に成り下がったのではないかと思います。この新しいステークホルダーの概念が打ち立てられることで初めてM&Aなるビジネスは成り立つのでしょう、すなわち当たり前のことですが、会社が一人一人の社員を大切にしていたのでは、到底赤の他人に、金儲けだけの理由で売ることができないということです。この変化は日本という国家の根幹である精神を破壊するかの大きな問題と思います。今我々はこの点をよく認識すべきと思います。
アメリカの高官がここに来て、対中関係を改善しようとして中国をステークホルダーとして持ち上げることは興味深いものがあります。私の認識では、日本はすでに米国にとって思い通りに動く国であり、あえてステークホルダーとして持ち上げる必要はない国ということではないでしょうか、それが意味するところは、ブッシュ大統領の言う、成熟した両国関係などではなく、支配・被支配の関係となってしまったのではないでしょうか?最近の牛肉問題における米国の発言の軽さを聞いているとますますその意を強くします。
ところでローマ帝国がその版図を広げている最中にパルティア(今のイラン)遠征で大敗を喫しそのアジア制覇の野望は絶たれました。当時のパックスロマーナの現代における再現を公然と標榜する米国はパックスアメリカーナの考えのもとに中国を当時のパルティアと認識しているかもしれません。しかしながら今の中国はイギリスに蹂躙された当時の中国とは違います。アメリカの大いなる野望にとっての最大の障害であることは間違いないものと思います。
この狭間の中で我国はどちらかに一辺倒は避けるべきです。それをすれば必ずは何かの際の駆け引きの道具にされます。明治維新直後の朝鮮半島の様にです。ふと不安に感じました。

|

« タロウのD通信第36号 | Main | タロウのD通信第38号 »

アメリカ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/76174/8348842

Listed below are links to weblogs that reference タロウのD通信第37号:

« タロウのD通信第36号 | Main | タロウのD通信第38号 »