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February 26, 2006

タロウのD通信第43号

――――― 荒川静香選手おめでとう ―――――
念願のトリノ冬季五輪でのメダルそれも金メダルが荒川選手によって日本にもたらされました。あらためて祝意とここまで精進・努力を重ねられたことに敬意を表します。そもそも冬季オリンピックは、競技会そのものが、降雪があり、氷が張るといった条件を有している、中で行われるため、その環境を保持している、欧米諸国が伝統的に競技ルールを決めることになり、結果としてどうしても彼らに有利に働くといった特徴がありました。結果として西欧や北欧の国がその国力とは別なところで、リーダーシップを握っている傾向が強いと思います。

その中でフィギアスケートはその要素に技術・体力面であるスケーティングに加えて芸術面でのダンスやバレイなど欧州文明・文化的要素がふんだんに盛り込まれており、この競技で我々アジア人が、日本人がそれに正面から取り組み自分のものにすることは本当に難しいことと思います。毎回行われる冬季オリンピックにては、常にそのことを考えながら楽しく見させていただいておりましたが、今回の成果は、日本が明治維新以来の西欧よりの文明導入を図り続けてきた結果が具体的にはっきりと示されたといっても過言ではないと思います。その意味では感慨深いものがあり、実際に多くの日本人はもとよりアジア諸国からもこの快挙に喝采の声があがったと聞いております。

日本は明治時代に脱亜入欧を一つのスローガンとして掲げ、殖産工業・富国強兵政策と共に推進してきました、それが日清・日露戦争の勝利をもたらし、その後の第一次世界大戦後に設立された国際連盟体制下では戦勝国のひとつとして晴れて常任理事国の一角を占めるようになりました。これはある意味では軍事力で脱亜入欧を果たしたと言ってよいと思います。しかしながらそれ以外の文化や芸術では欧州のレベルに到達することはできませんでした。というのは主観や感覚がその多くを占める文化・芸術は比較的単純に計数化できる軍事工業技術のように取り込み自分のものにするというのは簡単なことではないからです。当時の日本が欧米各国に自国を紹介する際にいつも雪国の写真を使ったといった、話を聴いたことがあります。それは日本も冬期には雪が降り、氷が張る欧州・米国と同じ国ですよということを雪景色まで取り入れて意思を示したのでしょう。その後2回に渡ってにほんで開催された札幌、長野の冬季オリンピックの開催もこの努力の延長線上にあるものと思っております。

周辺国を見回すと、韓国や中国が欧米諸国と並ぶメダルの量産をしております。しかしながらその中身は欧米では残念ながらマイナーといわれる競技が多く、その結果がもたらすインパクトは大きなものではありません。またアルペン競技など仮にホスト国として五輪を開催しようとしてもそのノウハウが備わっていあいないことも事実であると思います。今回の金メダルは欧州文明・文化の本質が詰まったメジャーなフィギア競技にて得たものとして、極めて意義があると思います。若い頃テレビで見た渡辺絵美さんや銀メダルを取った伊藤みどりさんなど先人の努力・経験に加えての文化や芸術的にも西欧文明を咀嚼して、いまや先進国の一員として世界を引っ張るだけの力量が得たことの表明として、この結果はうれしく思います。

確か渡辺さんの時代でしたが、東ドイツからカタリーナビット選手が華やかにデビューして華麗にビールマンスピンを演じ、金メダルを取得したことを思い出します。本当に綺麗で、かっこよく、驚きをもちその違いに途方にくれた覚えがあります。それがいまやアメリカやロシアの選手をしのぐ体格を持ち優雅に課題をこなし、完全に欧米のスタンダードで勝利した日本人を見る時、あらためて、今の我々日本人が変わったものであると感じます、また当然のことながら、それにより世界に果たす役割は我々が考えている以上に重いものであることを認識せざるを得ません。

荒川静香選手おめでとう。

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