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May 06, 2006

タロウのD通信第49号

―――――日米軍事同盟成立の会見―――――
なんとも不愉快なシーンをテレビで見てしまった。それは5月2日(日本時間)に放映されたワシントンでのライス国務長官、ラムズフェルト国防長官、また麻生外務大臣、額賀防衛庁長官の4者の会見である。これは日米の軍事協力が従来からのその精神的な抑制を自ら取り外し、堂々とその実態を諸外国に向けて表明し、これからの姿勢を近隣諸国に示したものである。お隣の韓国や中国の首脳はさぞ不愉快に思ったものと思う。なぜならばこれは、アメリカの従来からの軍事的覇権主義(パックスアメリカーナ)を日本が正式に受け入れ、米国と共同して東アジアの秩序維持に取り組むことを表明したものであるからである。

ところで話は変わるがここドイツでは、ペット(主に犬)をしつける会社がある、これは自らがペットをしつける経験がないが、さびしさしのぎにペットを飼うといった人が利用する専門のサービス機関である。ここに預けられた犬は徹底的に主人に対しての従属を求められる、それにより自らが生きる手段は主人の言うとおりに動くだけといった、教育を徹底的に植えつけられ、合格した犬のみが晴れてご主人様の下僕として、その生業を得ることができるのである。これによりほとんどの場合、暖かい寝床と美味しい食事には終生ありつけることが出来るのである。一方自ら考え、動く自由はまったく存在しない、動物として生まれ大自然を自由に駆け回った本能はまったく無視されるのである。この生き方が幸せかどうかは、それぞれの人の考え方によるが、ここで指摘したいことは、日本が自ら意思でこの犬と同じ選択をしたということである。これは主権国家として絶対にしてはならない、愚をなしてしまったという点である。

この稿では以前よりたびたび小泉首相の手法についての警鐘を鳴らしてきたが、あえて再度繰り返せば、前回の選挙でも郵政民営化を始めとしての行政改革を旗印にして、選挙に大勝したが、その実結果を検証していくと財政貿易赤字に悩む、米国がその経費削減の具体的手段として軍事費負担の肩代わりを日本に求めていることは明白であり、その具体的な進め方として、日米軍事同盟関係の強化がその軸足としておかれていることに気付く。過去には対米、対アジア、対ヨーロッパなどそれなりにバランスの取れた外交関係を有していた日本がアメリカのお先棒を担ぐ形で、アジア近隣諸国に軍事的な脅威を与えることになったのである。今まで日本は戦争放棄をその憲法に崇高な理念として掲げてきたが、今回はこの約束事すら破ってしまった。麻生外相の朗々たる発表はまさしく堂々と日米軍事同盟成立を発表しているといった内容であった。どうしてこうなってしまったのであろうか?

前段に戻れば、しつけ専門会社に入れられた犬はまず絶食といった洗礼を受け、今自身が置かれている立場を認識する、そして餓死か隷属かを迫られ、生きていくために隷属しかないと判断し、しつけを受けいれることになる。これと同じく、終戦後の60年間アメリカの民主主義の導入も図られ、アメリカドルの地位拡大とともに経済大国化もなし得、それなりの幸せを得ることはできたが、外交においては自由なる選択肢を得ることは一時期を除いて出来ずに常にアメリカ追随を迫られてきた。その中で敗戦国且つ被爆国である日本は軍事面だけは堂々と一貫して自国の立場を主張することでその立場を明確化してきた。しかし今回この立場をも放棄して、米国への隷属を表明した。果たしてこの選択は国民の真意であろうか?日本人は生きるために食う、食うためには主人に従う、この仕組みを、受け入れ、維持してきたのは、実は日本人自らの判断の結果である。この事実を今こそ正面から認識すべきである。経済発展(即ち美味しいものを食べるだけ)の為に粉骨をすり減らし、家族関係を犠牲にして頑張ってきた結果が米国の属国化ではあまりにも情けないと思う。今こそ、この生き方が正しいあり姿であるのかを、一歩引いて考え直す時ではないだろうか?まだ遅くはないと思う。『衣食足りて礼節を知る。』これこそが今我々に求められている取り組みではないだろうか。我々は犬ではなく、人間なのだから。

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