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February 12, 2007

母国語教育の勧め vol.83

ドイツに住んで4年目となった。しかしながら一向にドイツ語がうまくならない、暇を見つけては40の手習いで勉強はしているが、歳のせいか全く上達しない。しかし言い訳をするわけではないが、よく考えると今の生活環境すなわち、デュセルドルフで生活していてもすべてが日本語ですんでしまい、簡単な買い物くらいしか、ドイツ語を使用する機会に恵まれないというのも一因であると感じる。私事で恐縮だが、かつて大学では4年間専門で中国語を習得し、その後商社で20年に渡って磨きをかけてきた、また英語も会社に入ってからは必要に迫られ勉強し、特にインドビジネスでは必須であることよりある程度はできると思っている。しかしながら子供が外国語を学ぶような年齢になりつつある中、改めて母国語習得の重要性を感じる。なぜであろうか自分なりに考えて見た。

今の世の中はつくづく便利になったものと思う。ブロードバンドネットワークやそれをサポートするウインドウズの普及により、ネットを通じて簡単に情報収集はもとより、ショッピングやバンキング、クレジットカードを利用しての決済など多くのことができる世の中になってきた。しかしながらこれらのネットでのお金のやり取りにおいて、たまに英語だけのショップを利用すると、日本語への直訳の意味は大体同じだが、その文化的な背景が異なることに、?なぜこのようなことを確認するのかといった疑問が良く湧く。特にアメリカで開発されたソフトの翻訳版にその傾向がつよく、良くなじめないものを感じる。例えば何でも規約が先に示されその条件に同意しなくては前に進まない、実際の時々暇なときに全文を読んで見るが、この日本語ですら非常に難解であり、結局内容の把握のないままに承諾をしてしまうことになる。一体どちらが客なのかといった疑問をいつも持っている。逆に言えばどうしてこのようなことを確認するかについてしっかりとした背景を知っておかないと永遠に理解不能ということになってしまう。

私の周りには多くのドイツ人との間で国際結婚をした日本人がいる、そして彼ら彼女らの共通の悩みのひとつに、子供に母国語をどのように習得させるかがある。これがデュセルドルフではなく一般のドイツの田舎町ならば日本語を学ぶ環境はまず得られないので、母国語はドイツ語、第2言語として日本語となるのであろうが、ここデュセルドルフは違う、今でも世界に冠たる日本人学校があり、日本と全く同じ教育を受けることができる。となれば子供にどちらの言語を教えるかが大きな課題となる訳である。先の戦争終了後世界を律し新しい秩序を構築してきた主体は欧米であり、その根源には欧米文化があることは否定しないが、一方で21世紀の将来を考えたとき一時の勢いはなくなったとはいえ、アジアに位置し、中国を始めアジア各国に影響力を有する、日本語は棄てがたい魅力と可能性を有しているといえる。それならばバイリンガルに育てればよいとの考えがあるが、実はこれが難しいのである。即ち異なった2つの言語は何とか習得することができても、二つの文化を母国人並みに習得するに独日はあまりにも離れすぎているからである。ところでこのような考え方になったのは当地に来てからである、ドイツ人やオランダ人は割りと平気に英語文化を摂取するが、一方でフランス人やイタリア人またポルトガル、スペイン人などラテン系の民族は簡単に受け入れられない、ここには単純に言語体系の違いの問題もあるがそれ以上に背景として存在する宗教や文化の違いがあるのではないかと考えている。

さて私の話に戻るが、今ドイツにいても仕事に必要な情報収集の言語はほとんど日本語である。これは90年代の後半に上海にいたときと大いに異なることである。というのはブロードバンドの恩恵により日本のテレビをリアルタイムで見ることができるし、個人営業であるから時間も自由、いくらでも情報収集に時間を割くことは可能である。また当地の邦人新聞やドイツ人の友人からの口コミで大きな事件は十分に把握できるので問題は感じていない。ただしここで問題となるには、簡単に情報収集といってもITそのものの仕組みをある程度理解しないと十分には役に立たないことがある、それだけに母国語を利用して自分から理解しようとしない限り、その恩恵には浴すことができないというのが今のIT社会の現実であると思う。したがい、ここでも重要となるのはやはり母国語の十分な理解能力の習得であると思っている。ましてやビジネスに必要な専門知識に関する情報にいたっては一定の母国語の知識がない限り本質には到達できない。通り一遍の読解力では言語明瞭なれど意味不明の理解不能に陥ってしまうことになる。世の中が高度に発展しより細分化した現在、それをサポートする機能としてITが出現し、種々障害を克服し便利になり、その結果として、母国語の能力が、今まで以上に重視されてきたというのが今の状況ではないだろうか?

以上の理由で、今子供にはしっかりと日本語を学んでおけといっているのである。皆様のご意見はいかがでしょうか?

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