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April 28, 2007

昭和の日 vol.89

明日は昭和の日である、4月29日と言えば長らく、天皇誕生日と決まっており、その後昭和天皇の崩御によりみどりの日となり、今年から昭和の日となったのである。私事で恐縮ながらこのネーミングは気に入っている、自分も昭和36年生まれだから、まさしく昭和人であり、かつ戦争の悲惨さは知らずに高度成長経済を謳歌した世代である。ところで昭和を60年とすると前の30年と後の30年の違いは大きく、これを改めて考え見つめ直し、どのように今日に影響したのかを考えるにはよい日なのかもしれない。

振り返ると、前昭和は日本が明治維新後の富国強制政策を実施し、それがうまく行き世界の一流国の仲間入りを果たした時代であった。そのときはまだ米国の存在はそれほど大きくなかったので日本は欧州主にドイツをひとつのモデルとして国家建設をしていった。結果としてドイツと同盟を組み、あの大戦争を起こし負けたのである。その後の復興期も含めて前昭和としてみる。その後高度成長経済の波にのり、アメリカが直面した東西冷戦の最前線の地政学的位置を占めるに至って、日本の立場は変わった、即ちアメリカの影響の下、親米国家として自国の立場を固める政策に移っていた。結果として今の日本が出来上がった。その期間を後昭和としてくくって見る。前昭和は欧州という、名目上はまとまっているが、その実は多くの列強がそれぞれの立場を考え権謀術数を抱える地域をモデルとしたことで日本は難しい選択を迫られることになった、結果としてドイツを選んだが、これにより他国との関係維持は難しくなった。それがより自国の軍事力増強へと走り結局は戦争を自ら仕掛け、負けたという背景となったのではないか? 馬鹿なことをしたものである。しかし日本人の持つ美徳は引き継がれ、生き続けたように思う。一方後昭和はその点では楽であった、アメリカという絶対的超大国にうまくしがみついていれば国家の安寧は図られたのである。その結果日本は過去の歴史上まれに見る経済発展を遂げ、誰もが認める経済大国になったのである。しかしながらこの副作用が今になって教育の荒廃また日本らしさの喪失という形で明確になってきた。そのことに気付いた安倍政権は美しい日本とは何かといったキャンペーンをわざわざ張ることになっている。これはそれだけ日本政府が日本らしさの喪失に危機感を抱いていることを表している。

では日本らしさとは何であろうか?今日本が抱えている問題点を考えることでその外相は見えてくるように思う。今の問題点を一言で言うと、拝金主義・唯我独尊という言葉で言い表される、即ちルール前提を無視した、拝金主義である。アメリカはその国の成立過程を見れば分かるように民主主義国家としてまず皆に共通のルールと設定し、その範囲の中での自由を認めた。しかし我国は戦争に負けたことをいいことにその基本ルールを決めることをおろそかにした上で、見かけ上アメリカのルールを取り入れた、結果としてルールないまま或いは、実情を無視したルールの下に皆が自由を享受することになったのである。これは自分さえ良ければ、或いは法律に違反しなくてはこれでOKと簡単に考える、唯我独尊を幅広く推し進めることになり、日本全体が他人をまず思いやるといった美徳の伝承が難しくなり、先人の智恵を忘れてしまったように思える。これは具体的には他人が苦しいとき、例えばお金がない時や病気の時にしっかりとその人を支え、回りの人間はそれを自然な形でサポートするといった、助け合い・ともに支えあう仕組みの伝承を怠ったことである。替わりにそれらをすべて金で換算し、金があれば何でも手に入るとの大きな錯覚をしてしまったのではないか?後昭和はバブルの崩壊を招くところで終了した。この負の遺産を背負ったのは平成の日本人であった。金で得られるものは限られている。このことを忘れてはならない。

先日仕事で在日ユダヤ協会の人と一緒に旅行をする機会があった。私にとって今まで何人かのユダヤ人と仕事をしたことがあったが、今回のようにじっくりと話をする機会はなかった。そこで感じたことにユダヤ人は宗教という自分で決めたルールをしっかりと守った上で、後のお金儲けは自由ということである。換言して言えば、自分で決めたルールを絶対に守ることを誓うことで初めて、時として人を貶めることがある、お金儲けを自由にする権利を確保しているといえる。この考え方の良し悪しは別として、これはひとつの道理に適っていると思う。一方自らのルールを持ち合わせない日本人がそこそこに豊かになり、その状況下、拝金主義に走って金儲けのみを志向したらどうなるだろうか?それでは単なる拝金主義者として外国人には全く認めてもらえないのではないかと思う。実際に市場経済で得られる利潤は有限なものにて誰かが儲かればそれと同額に損をする人間が出てくる仕組みなのである。思い起こすと私の子供頃は、拝金主義は良くないことであり、それに走ることはやってはいけないこと、戒めなければいけないことといった共通認識があった。しかし今、巷で起こっている事件やニュースを見るとまさしく拝金主義こそが正しい道のように思っている人が多いことが分かる。首相の提唱する美しい国を復元には、この点を皆が認識し立て直すことが重要ではないかと思う。昨日安倍首相が訪米し、何とかブッシュ大統領と諸政策で合意を見いだすことができたが、まだ不安定な要因が多いようである。日本がアメリカの支配下にいて、その政策に従順する限りこのことは継続する。日本が一人前の国家として生きていくためには、今こそ国家、政府が日本人らしさを考え、日本人らしい国にこの国家を変貌させることこそが、重要であると思う。拝金主義を放任した後昭和の付けを今こそ我々は償うべきなのである。

今我々が考えるべきことは、この耕地の狭い島国日本に一億人以上の人口が肩膝寄せ合って生きるに当たって、当然のこととして得てきたノウハウ(智恵)をもう一度認識し、拝金主義の限界を皆で体感として認識し、それを世界に発信することではないだろうか?日本人にはその遺伝子に過度な動物性タンパク質は取得せず、粗食でも自国で取れるものだけで生き延びることができるすばらしい機能を自ら智恵で体得したのであるから。

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Tracked on April 30, 2007 at 05:33

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