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May 29, 2007

まったなし、政官癒着の構造改革! Vol.95

昨日松岡農水大臣が壮絶な自死のニュースがあり、これは大変なことであると感じたが、本日は資金提供側の緑資源機構の幹部が飛び降り自殺をしたとのニュースを聞いて、この国の仕組みはいよいよ想像以上に疲弊していることを改めて感じた。これはまさに政官癒着の実態を白日にさらしているものであり、このような政府にこの日本を任せることができないことは明白である。現職大臣の自殺はここヨーロッパでも驚きを持って受け止められているが日本の実情には言及していない。あるコメントでは日本では贈収賄は一般的であり、それがなぜ家族を悲しませても自死につながるのか不可解であるといったものであった。それだけ今の日本が抱えている政官癒着の構造は特殊であり、外から見るとよく分からないものなのである。

故松岡大臣は農水省の官僚出身であり、その官僚が華麗に政界に転身して所轄大臣にまでなったという、政官癒着構造下においての成功物語を絵に描いたような経歴を持っている。これは彼がここまで努力を継続し農林行政に貢献した実績を示しているが、一方ではその経歴に基づく金の疑惑は多くあったようだ。安倍首相が自身の任命責任について語っているが、確かにこのような時期にあえて疑惑の人を任命したことは重大かつ意義のある選択であった。しかし本人がその意図するところを汲んで、自ら政官の癒着にメスをいれ正常な姿に改革することを目指すべきであった筈ながら、図らずもこの首相の期待と本人に対して与えられた任務に対してこと半ばで最悪な形で潰えてしまった。今回の大臣及び独立法人の幹部の自死について考えてみると、一つは人の命がいかにも安くなったことがある。ご本人は自分がお世話になった同じ政官機構で今後も生業を得る必要がある人々を、体を張って守ったつもりかもしれないが、実際この行為は国民の利益に反しておりまさしく無駄死である。即ちこの行動は今まで同様一部の特権階級の利益のみを優先し、国民全体の税金を横取りして自身の懐を富ませる、行為そのものを引き続き認めることに他ならないのである。今政府が行うべきことは国民の視点に立ってお金の使い方に対して一刻も早く改善を図るべきであり、これを進めている最中にこの事件を美化して認めることはできない。今諸外国の目は日本に対してまだ不可解で済んでいるが、同じような事件が今後頻発すれば、いつかことの実相が見えてくる。そうなれば日本は表面上民主主義国家と装っているが、その実は政官特権階級の封建国家であることが見透かされてしまうのではなかろうか?

話は代わるが、私が子供の頃、親や親戚よりよく勉強して東大に入って、お役所に入りなさい、それが理想だと良く教えられたものである。一方子供心になぜ?といつも疑問に思っていたが、それが結果的に日本株式会社の頂点に立つことを意味しており、それが金銭的、職業的な幸せを得るためのもっとも効率的手段であることが分かったのは就職してからである。その結果お役所は適わなかったが次の選択として商社を選んだのである。当時商社はいわゆる輸出振興、外貨獲得を旗印として、売上高至上主義を標榜し、各社どのようにして売上高を増やすかでその優劣を競っていた時代であった。上司はつべこべ言わずに売り上げを伸ばせ、時として利益を犠牲にしても売上高を伸ばすような仕事をせよといつも指示を出していたものである。今になって、思い起こせば商社は貿易において、時の通産省、大蔵省に直結する企業として、輸出振興をその任務としていたが、同時に海外支店網を活用して、円高により還流した遊離円(前号を参照)が国内市場に流入を阻止するためにこの資金を外国で消費させ日本国内への還流を防ぐことという任務もおっていたのである。実際にニューヨークのロックフェラービルの買収などなりふり構わぬ外国不動産への投資があったのもこの時であった。結果として売上が増えた商社は強い商社として認められ、より良い条件での資金提供を受けることが出来たからである。その後、政府は増大する遊離円を抑制することはできなくなり、国内不動産への投資を黙認した当たりから、商社のこの機能は必要なくなり、国内は本格的なバブルへの移行していったのである。それとともに我社でもまじめに輸出の仕事をすることは時代遅れとみなされ多くは国内の不動産、株投資へと動いたのであった。その結果、バブル崩壊とともに、会社は縮小均衡を余儀なくされ、私自身も会社を飛び出すことになったのである。その後落ち着いた今ではこれは間接的ながらも戦後臨時復興体制に依存していた自分自身に対しての当然の報いであったと思っている。

これらの一連の事実を思い出し、よく背景を検討すると、官僚のリーダーシップによる国家統治方式はバブルの崩壊をもってその機能を果たし、失ったといえる。したがい今行うべきは国家運営の主体を官から政治主導に一刻も早く切り替えることである。しかしながら長らく官僚機構の下僕となってきた政界は、相当の権限を保証されながら、それを実行することができない、その中で小泉前首相や安倍首相のように官僚との関係が比較的疎遠な領袖が政権をとり、この問題に取り組んでいるが、いまだ遅々として進まない。ここで危惧されるのは、現在の政府のようにいまだに財界を巻き込んで経済成長をお題目のように掲げ、この問題に抜本的な対策を示さずに時間を浪費することで、今回の事件と同じ悲劇が続発し、その結果本当の背景に気がついた外国から嘲笑をうけ、この国は先進国グループから脱落し、堕落していくことである。少なくとも民主主義国家は法律の前に自由と平等が保障されるべきであり、一部の政官業が特権階級として国民の税金から過大なる報酬を保証される仕組みは受け入れないはずである。本稿では憲法改正論議が高まりにあわせて、本当に必要なことは第9条の改正ではなく、占領軍により押し付けられた憲法の良い点、悪い点を第9条も含めて徹底的に議論し、その中で戦後臨時経済復興体制を支えてきた政官業の癒着構造をいかに変革させるかを決めることこそ憲法改正の意義であり、これが本当の民主主義国家の構築につながるものであると主張してきた。今回の事件に接して、いよいよこの実行が待ったなしで求められる状況になってきたと思う。

最後に故松岡大臣のご冥福をお祈りし、二度と同じ悲劇がおきないことを願って本稿を終了したい。

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