米国に対してNo.をいえるのか テロ特法? Vol.117
昨日APECが開催されているオーストラリアで安倍首相がテロ対策特別法の期限が切れた以降、インド洋での自衛隊による海上支援が出来ない場合、内閣総辞職をするとの発言をした。これに対してあいも変わらず日本国内では衆議院議員の立場に固執している、自民党の幹部から、それは真意でないといった否定的なコメントが出ている。いつも思うことだが、せっかく首相が自分の決意を明確に発言したにも関わらず周りの人間がそれを否定して、真意を曲げるのであれば、政治はまったく進展しないことになるが、こんなことでよいのであろうか?
民主党や他野党の発言を聞いていると、まずこのテロ特法の延長は参議院で否決されそうである、仮に否決されれば、結果として自民党は親米を貫いた結果、国民の支持を失ったと世界は見るであろう、またこれにあわせて内閣総辞職、総選挙となれば、小沢党首の思うような政権交代が実現することになるであろう。これはそもそも小泉改革で生じた、生活格差の問題が表面化し、それが年金問題、公務員の怠慢、公務員改革問題へと発展し、今自公はそれぞれの問題に対しての対症治療に力をそがれていることに端を発している。いずれにせよこれらの問題の原因は与党が今まで何もせずに先送りした結果にて、世論は自公政権の取り組みの甘さにその責を見ている。このままこの情勢が続けば、現在の自公政権は必然的に下野する運命にあると思う。その状況の中でひとつの転機となったのが今回のテロ特法の延長問題である。即ち小沢党首が米国の言うことは聞かない、国連の決議を尊重すると発言したことで、国民が見るこの法律の本質は対米追随、一辺倒を継続すべきが断ち切るべきかに変わったからである。これはその後の小沢党首の米国大使との会談によりこれは決定的となった。その結果、安倍首相は自らが志向した旧自民党的なアメリカとの間に少し距離を置き、アジアを重視している等距離路線に外交方針を修正することを余儀なくされ、結果として今回のAPECで米豪との共同声明を発表することでせっかく自らの進めて政策を転換しかつ自身の退路を断つことになったのある。
自民党は今までは万年与党として、何でもありの体制を取ることができていた、またこれが同党の長期的政権確保を可能とした背景でもあった、しかし民主党の躍進によりこの様なやり方は不可能となった。結果として二者択一の体制をとらざるを得なくなっている。一方でこの変化は国民に対して現状を分かりやすく示すことが可能となった。即ち政党の本質が良く見えるようになって来たからである。ここで少し整理すると;
自民党;
- 米国追随の新自由主義による日本国の発展。
- 貧富の格差は生じても国力全体を成長させる。
- グローバル経済主義
民主党;
- 米国一辺倒は取りやめ、国連を中心におく。
- 貧富の格差は基本的に縮小させることが国の安定の基本方針。
- 地域経済主義
これを見ていると、自民党はアメリカのやり方を受け入れ、模倣している。一方民主党はヨーロッパのやり方に近づいていると考えることができる。日本は今後この2つのやり方がせめぎあいながら、双方を効率的に取り入れることが重要ではないかと思う。
実は同じような状況にある国がもうひとつある、これはアングロサクソンの国家でありながら、ヨーロッパに位置している英国である。日本にとって英国それも親米のブレア政権に修正を加えようとしているブラウン首相の舵取りをつぶさに見ることで、今後の参考となりうると思う。即ちアメリカを立てながらも、ヨーロッパの国として生きていくにはどうするのかということである。今般、安倍首相がテロ特法に対して自身の進退をかけてまでも考えを明確化した背景には、自民党自身が自らの行く方向を親米政権として位置づけなければもはや自らの存続はないものと考えた結果であると思う。これにより国民は親米自民党政権かあるいは反親米国際協調路線の民主党かを選択をするべき立場になったのである。
私は今欧州に事業拠点を持ち、時々米国にも行くが、欧州と米国の最大の違いは社会に断層があるかどうかである。欧州は金持ちと最貧層の間がなだらかにつながっており、大きな較差を感じる風土ではないが、アメリカは違う、大金持ち、中流、最下層とはっきりとした断層があるように思える。この基準で日本を見るとどうなのか、そもそも単一民族の国家として社会に断層などはなかったはずに日本が戦後徐々に米国型の社会となり、その結果断層が形成されつつあるのではないかと思う。日本は本来、他人を敬う文化はあるが、他人を差別したり、貶めるような文化は存在しないはずである。それであれば金という尺度を絶対化して人を差別化することが果たしてなじむのであろうか、この根源的な文化を認識すれば自ずと将来の方向性は見つかるのではないだろうか?日本は日本らしくあってこそ、その存在価値があるはずである。
ところでブッシュ大統領がノムヒョン大統領に対して北朝鮮との平和条約締結の提案をしたとのニュースを聞いてはたと思い至ったが、同国も韓国も、またわが国も現在、形式上は独立国として国連加盟国ではあるが、実際は隣国との間で停戦平和条約が結ばれておらず、戦争中であり、それぞれの本当の独立は達成していないのである。これでは拉致問題の解決はもとより、安保理の常任理事国への立候補や、沖縄や本土の米軍基地返還、また北方領土の返還など独立国としての一連の土台作りは何一つうまく進まないのは道理なのである。
まずは国家として過去をしっかりと清算して、自分の国土の確定をすることで、独立を達成することが急務であり、それをしてこそ、次の発展が得られるのであはないだろうか?現状のような米国の従属、傀儡政権として永遠にあり続けることは許されないのである。
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