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September 02, 2007

わが国は今後も米国国債を購入し続ける必要はあるのか。Vol.116

先日産経新聞に面白い記事を見つけた、それは中国が膨らむ外貨準備高、即ちおもに米国向け貿易黒字による蓄えられた米ドルの有効利用のために6000億元(約9兆円)相当の特別国債を発行して、それを中央銀行である中国人民銀行に蓄えられている米ドルに両替し、その米ドルで、海外の株式や投資ファンドに出資するというものである。この記事を見て面白いと思ったのは、今の為替管理の仕組みでは各国政府にのみ自国通貨の発行権があることにより、ドルを運用しようとすれば、それに見合った自国通貨の発行が必要なことである。同時に中国政府はこの発行額に相当する経済成長を達成しなくては、経済規模に対して過剰な通貨供給となり、経済はインフレになるということも意味しているのである。

今の中国は誰もがうらやむ高度経済成長を謳歌しているのでこの程度の金額の国内経済での吸収はさして問題はないであろうが、一方仮に日本がこれと同じことを今やったら、普通に考えるとこの新たに発行された金を吸収してくれ発展の基盤を持っている新産業を探すことは難しいのではなかろうか?ところで実際の日本の状況はもっとひどい、巨額な貿易赤字を喫しながら、米ドル高を維持したい米国の要求に従属している日本政府、日銀は今でも積極的に米ドル国債を買い付けている、結果としてそれに見合った円はどんどん発行されている、これは政府・日銀が円を新規に発行しそれを銀行に引き取らせ、その資金でドルを購入させ、そのドルで米ドル国債を買うのである、結局この行為により日銀あるいは金融機関の手元には運用先の見つからない余剰の悪玉円が過大に残っているのである。これに対して政府・日銀はインフレを恐れて、政策的に運用者と用途を限定し一般の経済圏への流出を制限するのである、その上で、金利がつかないままに放置しておけば、金融機関は利子を得ることができずに赤字になってしまうので、これを救済するために政府は儲かる使い道を提供することになる。この役割を担うのがまさしくヘッジファンドあるいは投資ファンドなのである。これは超低金利と言われながらも、サラ金や銀行ローンの金利が相変わらず高いことを見ればよく分かることである。

中国の今の経済の仕組みは経済的に対米依存である点で日本の過去と非常によく似ている、もっともアメリカの唯一のスーパーパワーの時代に、中国に先駆けて経済成長を達成した日本のノウハウを中国は積極的に取り入れており、その結果今の驚異的な経済成長を継続していることは誰の目にも明らかである。従い発表される中国政府の動きを見ていると日本の政府、日銀がやっていることも見えてくるというのが実際のところである。

先週もまだあちこちでサブプライムローン問題の背景や今後の影響などを論じる記事があった。それらに接して思うことは、なぜ海の向こうのアメリカが勝手にハイリターンを求めてリスクを張った商品に日本がお付き合いをさせられ、それが大方の予想通り暴落し、その結果、野村證券などの日系の企業が損害を蒙ることになったのか、この点を日本国民の視点、愛国的な視点で論ずる必要があるのではないかと思う。本来そのような危ない投資に日本の金融機関の手をそめることは許されないことであり、一歩譲ってなぜそのような危ない橋をあえて渡らなければならないかについて、しっかりとした議論が必要なのではないだろうか?

前の稿でも書いたが、欧州はEU統合により域内に新たなるインフラ投資先ができ、それらの投資により投資を受けた国家、地域は順調な経済発展を実現し、投資資金の回収が正常にできている、これが現在の欧州の安定成長の基本である。一方でバブル崩壊後あせった日本国政府は必要のない箱物建築に地方自治体を巻き込んで多額の投資をしたが、結局投資に見合った運用実績を得ることができずに多額の赤字に苦しみ、多くの税金を投入しながらも解決策を見出すことができずにいる。ただその箱の維持のために資金を無駄に使っているだけである。あるいは前にも書いた小田原の宿泊施設のように数百億円の投資をしたものを僅か8億円で外資のホテルチェーン販売するようなことを平気でやっているのである。我々日本人はそろそろこの辺のからくりをしっかりと認識して、それらの損失分と同額の収益が米国などの外資・投資ファンド等に渡っていることを認識すべきである。またこれが今の格差社会を生んでいる根源であることを理解してしっかりとした対応のできる政治を育てていかなくてはならないと思う。

ひとつ提案であるが、たとえば日本は今後米国債の購入を減らし将来的にゼロとする基本方針をまとめる。これを発表すれば米国は驚き、あらゆる方法で日本に躊躇するように求めてくるであろう、ちょうどテロ対策特別法の延長を求める今の米国のように、しかし政府は国民の意思の結果であるとして絶対に米国の干渉は受け入れない、その結果円レートはドルに対して順次上昇し、100円を超える可能性もあるであろう。そうして日本円が強くなった時点で米国や欧州などにある知的財産権を積極的に購入するのである。実際米国の製造業の衰退ははげしく、せっかくの知的財産権保有しても有用に利用されていないものが多く、これらを高くなった円で購入して、日本での新規技術の育成に努めるのである。これにより日本国内は新規技術に裏づけされた新たらしい商品や産業が出現し、新たにそれらのパイロットスケールの製造業が建ちあがるのである。結果としてこれが世界中の人に受け入れられるよい商品であるのあれば、新たな産業を育成することができるのではないだろうか?そしてそれがビジネスとして順調の発展するのであれば、次の段階として製造コストの安い近隣の中国やアジア諸国と共同にて大規模な工業スケールでの製造プラントを立ち上げ、世界の市場に対してより安くて高品質の商品を供給すればどうであろうか?そうすれば日本と近隣諸国の役割も相互補完的なものとなり、お互いの利することになるのではないだろうか?結果としてアジア各国の支持を取り付けた日本はその悲願である、国連における敗戦国の地位から脱却し、真のリーダー国である安全保障理事会の常任理事国となり、米国と対等な立場に立つことが可能ではないだろうか?そして米軍基地問題や北方領土問題の解決へ向けてのスタートラインにたつことが可能ではないだろうか?

これに対して今の政府の米国一辺倒の方針では、米国に頼りきりであり、これでは拉致問題すらも解決できないことを皆分かりつつある。それだけに日本がいまだ先進国であるうちに次の一手を打っておくこととは、わが国の将来を考えるとき非常に重要である。即ちせっかく自ら汗を流し、稼いだ外貨を、自分の考えで有効に利用することができる、政治体制の確保これは非常に重要なことであると思う。

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