ちぐはぐ国交省の外資排除策!本当の目的は? Vol.134
昨日(1月9日)年初の忙しい中、NHK始め複数のメディアにて国交省が今後空港管理会社に対しての外資の参入を制限する法律を制定するといった内容の発表をした。表向きは国家の安全保障の確保を重視しての対策といっているが果たして実体は如何なのであろうか?私には国交官僚の天下り先の維持・確保としか思えないが、いかがであろうか?改革を推進すべき立場の自公政府がこのような外資導入を公然と制限する政策を取って自己矛盾をきたさないのか、まだどうしてそこまで政府は官僚に遠慮しなくてはならないのかまったく不可解である。まず当該の記事を産経ウエブより引用したい。
空港会社に外資規制、保安・公共性を担保 国交省方針 2008.1.9 01:20
国土交通省は8日、成田国際空港など国際拠点空港の管理運営会社に対する外国企業の出資比率を3分の1未満に制限する外資規制を導入する方針を固めた。外国企業の経営関与を制限し、安全保障や公共性を担保するのが狙いで、羽田など国直轄空港のターミナル会社も対象にする。今年の通常国会に外資規制を盛り込んだ空港整備法改正案を提出する。法改正を機に、空港整備法を「空港法」に改称、空港整備から空港の管理・運営に主 眼を移す。
外資規制を導入するのは、海外の大型空港が外国企業や投資ファンドに買収されるケースが増加していることが背景にある。投資 ファンドなどは短期的な利益をあげるため、着陸料を引き上げる可能性も指摘されており、国交省では「拠点空港を(外資から)無防備なままにできない」(航 空局)と判断した。
改正案では、平成21年度をめどに株式上場を目指す成田国際空港のほか、将来的に株式上場の可能性がある関西国際空 港、中部国際空港の管理運営会社については、外国企業の出資比率を3分の1未満に制限にする。また、羽田空港で旅客ターミナルビルを運営する「日本空港ビ ルデング」の株式を豪州の投資ファンドが約20%保有していることが判明したこともあり、旅客・貨物ターミナル会社など、空港運営に不可欠な事業者にも同 様の外資規制を設けることにした。
国交省は特定の株主の大量保有の制限や重要資産の売却などで国が拒否権を発動できる「黄金株」の導入も検討してきた。ただ、投資家の投資意欲を損ない、「株式の流動性を低下させる恐れがある」(同)として導入を見送った。 一部割愛
上記の記事を見るかぎり、表面上は国家の安全保障確保が目的であるという風を装っており、具体的に外資が経営権を握ると着陸料が無制限に値上げされる恐れがあることを外資規制の理由の一つにあげている。しかし待ってほしい、今の日本の空港の着陸料はすでに世界一の高額である、それを認めてきたのは、政府であり、かつ官僚からの天下りの空港管理会社の社長がそれを決めたのである。だからこそ管理会社を民営化して運用コストを下げて、結果として着陸料を世界水準まで下げることを目的としたのではないか?それにも関らずその原因の矛先を外資に向けるなどとは、論外の行動である。またそれを年初等皆が忙しい時期にあたかも周知の事実のようにメディアを通じて発表し既成事実を作るやり方は非道であり、国民を馬鹿にしたものではないだろうか?
ちょうど昨年末に成田空港会社の本年6月よりの次期社長を決めるに当たり、当初国交官僚が天下り先として決まっていたが、世論の猛反発にあい、政府はこれを取りやめ民間からの起用に切り替えたばかりであり、その論争が収まったところを計ったような今回の発表にはまったく閉口してしまうばかりである。実際にトップは民間だがそれは大企業出身の財界の息が掛かった人間であり、また彼の下には多くの天下り役員が甘い汁を吸っていることについてはまったく手が加えられていない。このような例はここの所、年中行事のように繰り返されるが、政府は一向に関心を示さず、マスコミも当然のごとくニュースを流しつづける、果たしてこのようなことでこの国は本当によくなるのであろうか?いうまでもなく国交大臣は公明党出身の冬柴氏である、彼の望みは結局のところ現状の官僚優遇政治の容認、維持であり、国民の税金を無駄に使用し、借金を増大する現自公政権の延命に過ぎないのである。我々は今こそこのような官僚優遇の体制を打破し、行政の無駄をなくす政治を選択するべきではないだろうか?
ここのところの民主党の台頭により、自公と民主党の基本政策の間にある違いがが徐々にだが明確になってきている。それは、自公は米国の意向を受けた、資本供給型、成長主義、一方民主は欧州型の財政再建、経済管理主義であるという違いである。これは具体的にいえば自公は現在の国の借金の総額の現状維持を目指しながら、国の経済規模を拡大することで借金の総額を適正比率まで抑えることを戦略として持っているが、民主党は現在ではそれほどの経済成長は出来ずにまずは既存の行政の無駄を省いて財政再建を推し進め借金の絶対額を減らすということである。しかしながら無駄を省き借金を増やさないという点では双方とも同じ考えであるはずである。しかしながら今回のように自公政権が管理下にある官僚から自らの政策に反することを堂々と発表されてもそれに対して反論もないということでは、ますます無駄が増えるばかりで、このままではこの日本は官僚に食い尽くされてしまう。それだけに自公はもちろん、民主党をはじめこれから政権をとろうとする人たちはこのようなニュースに敏感になって、これが公然化するまえに徹底的に叩くべきではないだろうか?
ところで私が以前いた商社でもそうであったが、一旦外資が経営権を取るとまず、旧来からの経営陣の辞任を求め、新たに自分の配下の人間を経営者として派遣する、その際には過去の業績や貢献はほとんど考慮されず、不必要な経費を削ることに徹底する。誠にドライである。結果として外資はそれまでの会社の数々の無駄を一つずつ整理して安定した収益が出来る体制作りを推し進めることになる。もちろんこのようにならず、経営陣のすり替えのみが行われることもあるが、少なくとも天下りで甘い汁をすっている役人の特権はなくなるのである。まさしく、今回の国交省の発表はこの官僚の特権排除の動きに対して、官僚が満を持しての抵抗であることをあえてこのブログで指摘しておきたい。これをそのまま見過ごすことは、政府の怠慢であり、且つ国民の怠慢なのである。国民としてこのようなことは絶対に許してはならない。
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