時代遅れ!国策会社21 官僚支配体制の復活 Vol.139
昨日の日経新聞WEB版に気になるニュースが出ていた。政府の完全民営化の方針に基づき改革を進めてきた日本航空に商社、銀行などの14社の大企業が共同に出資して、同社が現在所有している優先株を引き受けるとの事です。ところでこの記事を見て、現在の日本のおかれている状況が明白に読み取れる。それは、それぞれの出資会社は見かけ上は、民間企業であるが、その実体はいずれも、国の金融政策やエネルギー政策と密接な関係がある会社ばかりである。まずは15日の日経新聞の記事を引用する。
日航増資、14社応諾へ・主力4行・商社など1500億円程度に
経営再建中の日本航空が計画している優先株による増資を主力取引銀行、大手商社、石油元売りの合計14社が引き受ける見通しとなった。個別の引受額につ いてはなお詰めているものの、日航は1500億円程度を確保できる見込み。最大の課題であった資本増強にメドがつくことで、業績回復基調に入った同社の再 建が前進する。
増資を引き受けるのは日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループの主力4行のほ か、事業会社では三菱商事や三井物産、双日、丸紅、伊藤忠商事、住友商事の商社6社と新日本石油、ジャパンエナジー、出光興産、コスモ石油の石油元売り4 社。 (07:00)
ところで日本はバブルの崩壊後、小泉元総理の登場で米英型の新資本主義の導入が積極的に図られ、外資導入や同系列の事業の統合が図られた、結果として全部で13行あった都市銀行は3行に、また9社あった総合商社は6社に集約が図られた、また原油を取り扱う石油元請も現在の4社体制となったり道路公団や郵政公社が民営化している。それらの事業統合や再編によってそれぞれの経営環境を安定化させた各社の多くが今回の日航の優先株引き受けに名乗りを上げたのは興味深いが、むしろこの動きには何か共通の力が働きその結果共同出資になったのではないかと感じている。本来小泉元総理が取り入れた新資本主義体制では、それぞれの企業は政府の関与を減らし、民間の力で独立して企業経営をするべきとの考えが基本になっていた筈だが、ここに来てそれとは裏腹により官僚の企業経営に対する関与が強くなってきているように感じている。この動きはまさにその象徴であると感じている。実際に日銀を中心としてそれを取り巻く3大メガバンクまた、それぞれと密接な関係にある6大商社は未だに日本経済の金融や資源供給の中心にいるし、また産業の米となっている、原油は限定された元請4社にしかその取り扱いを許されて居らず、国家の厳格な管理化におかれている。ところでこの考え方で、他の業界にも視野を広げるとそれぞれの業界においても、同様の集約化が進んでおり、その結果官僚に生殺与奪の権限がもたらされ、官僚の関与がより働きやすい仕掛けが出来ているように思うのは私だけであろうか?具体的にそれぞれの業界における大手企業を列挙してみると、そこには面白い関係が見出せる。;
総合商社; 三菱商事、三井物産、伊藤忠、住友商事、丸紅、双日 6社
マスコミ; 読売、朝日、日経、毎日、産経 5社
石油元売; 新日石、ジャパンエナジー、出光、コスモ 4社
銀行; 三菱UFJ、みずほ、三井住友 3社
通信; NTT、KDDI 2社
空運; 日本航空 1社
合計;21社
上記のように、偶然ながら綺麗に業界の規模の違いによりそれぞれ1から6社のピラミッド型に並んでいる。私はこれを称して国策会社21と呼びたい。これはバブル崩壊後、小泉改革路線を大嵐を受けながら、生き残った旧態依然とした政官民癒着型の経営システムが21世紀に新たな姿で復活した形と見ている。先日も国交省が羽田空港管理ビル会社への外資の経営参加を問題視して異論を唱えている、これを見る限り、官僚機構の産業支配の考えを肯定し受け入れる考えは現政権に根強く存在していることが明白である。またこの動きを受けて、官僚機構は積極的にこれらの国策会社21に対して影響力を行使することは必然であると考えている。またこれらの国策会社からみても、自らは一般の民間企業と異なり、国家からの資金の供給を潤沢に受けられる特権を授与されており、それに応えるために積極的に国策に従った経営を行うことを社是としている。結果として官僚機構の庇護を受けることで、マーケットにおいての半独占形態を維持することが可能となり、その存在は安定化すると考えている。一方で官僚側は最近の政治の変化を敏感に捉えて、それぞれの国策会社に関係する省庁+日銀(総務省、国交省、経産省、金融庁および日銀)を通じて有形無形の影響力を行使し増大させ、国政における自らの運営能力を強化することになるだろう。ところで、この強固な政官民の癒着の仕組みに対しては、一部の海外のヘッジファンドなどは異議を唱えるも、政府はG7体制の中で馴れ合う先進国の相互の関係をたくみに利用して、投資銀行やヘッジファンドに圧力をかけ、結果的に、これらのヘッジファンドも日本独特の禁じ手として容認せざるを得ず、結局手を出すことは出来ずに、日本の閉鎖体制に不満を抱きながら、それ以外の会社を虎視眈々と狙うという構図になるのではないかと思っている。
このように考えると今回の14社による日航支援は日本航空の国策会社としての再デビューを象徴するものであり、それと同時に官僚の支配体制の復活を示すものである。結果として国策会社と一般民間会社間には明確な格差が存在し、民間企業は常にこれを乗り越えての経営の安定化を求められるのである。これは自公政権が小泉元総理の元で推進した改革路線の挫折を示しており、従来の自民党のやり方への回帰を明らかにしている。これは今の自公政権は、残念ながら、官僚支配の日本を変えることは出来なかったということである。
今、国に頼りすぎた付けが、年金や地方自治体の財政破綻という形でその問題点が浮き彫りにされている。そんななか通信のSoftBankが打ち出す、斬新な料金プランや世界的に受け入れられる優良なサービスで業績が好調な全日空など業績の良い一般企業が数多く出てきていることは勇気付けられる。今後この国のあり方を見るにつけ、国策会社との格差に不平を論じるよりも、むしろ国の関与を受け入れず、自由を最大限に享受して、斬新な発想で世界を相手にして自らの力を信じてまい進するほうがより確実なのかもしれない。
自公政権は、改革政策のほころびが明確化するにつれ、その矛盾が露呈化すると、いとも簡単に自らの政策を覆して、政官民癒着の構造を容認し官僚主導の方針を復活させた、そして自らの与党の立場を維持しようとしている姿を見るにつけ、政治家がいつまでたっても、官僚に気兼ねして独自の政策をまったく打ち出すことが出来ない現政権与党では、この国構造を永遠に変えることは出来ず、今後もいままでと変わらず、お上が庶民の上に君臨する官僚による国民支配という二層構造の国家でありつづけるしかないと思う。日本がこのような二重構造を取りつづけるのであれば、国民の国民のための真の民主国家の確立はできない。そして今後世界からますます求められる、先進国の一員として経済や環境におけるリーダーシップを取ることなど土台無理である。自ら願って、先進国の地位を放棄すべきである。さもないと先進国の一員として取るべき応分の負担が足かせとなり、国の土台そのものが揺るぎ、国家が崩壊してしまうのでないかと危惧している。
ところで今議論となっている道路減税に是非についても注意しておく必要がある、与党側の意図は道路財源の徴税権を維持することで、交付金による地方自治体政府への影響力を行使したいの一点であるように感じてならない、金を供給することでしか、地方を納得させることができない現政権の唯一のより所を死守することだけを考えて道路財源の維持を主張しているのである。
自公政権がどうしてそこまで官僚や地方自治体を味方を付けようとするのか、これを示す資料や情報は今の国策会社であるマスコミからは断片的にしか出てこない、それだけに国民は自らの目でしっかりとその動向を見ながら、背景を探り、監視していく必要が有ると思う。そうして得られた本質が真の意味での民主国家を作るきっかけとなると思う。またその結果今のG7体制を通じて世界に日本が今後明確な形で貢献しリーダーシップを取ることが、日本国民の責務であることが、自ずと見えてくると思う。
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