サブプライムの破綻により思わぬ平和への動きが始まった。Vol.144
チェイニー副大統領がサウジアラビア、イスラエルを訪問しそれぞれの首脳と政策の不変を確認したことを見計らったように、日本発のビックニュースが世界に配信された。この記事は21世紀の世界の方向性を示すものである。25日の朝日WEBの記事を引用する。
サウジ国王、3宗教サミットを提唱
2008年03月25日15時13分
サウジアラビアのアブドラ国王は24日、文明間対話の促進を目的とするキリスト、ユダヤ、イスラムの3宗教によるサミット開催を提唱した。同日から討議 が始まった日本とイスラム世界との文明間対話セミナーに参加した宇野治外務政務官、朝日新聞記者らをリヤド市内の国王私邸に招いた席で明らかにした。
サミット開催には、ユダヤ教国家イスラエルとの歴史的な和解を視野に入れる必要があり、宗教間対話を通じて中東和平の進展を側面支援する狙いもあるとみられる。
国王は昨年11月、国交を持たないバチカンを訪問。サウジ国王として初めてローマ法王ベネディクト16世と会談した。国王は「法王は私を あたたかく歓迎し、人間対人間として対話をした。そのことを決して忘れない」と振り返り、「ユダヤ、キリスト、イスラムの3大宗教が一堂に会することがで きるようアラー(神)に祈っている」と述べた。
時期については「すぐに始めたい」としたうえで、対話の場で何らかの合意に至れば、国連に報告すると語った。対話の場を複数設け、仏教などとの対話も検討するという。
日本とイスラム世界との文明間対話は02年に始まり、今年で6回目。板垣雄三・東大名誉教授ら有識者13人が日本から出席し、約30カ国のイスラム諸国の出席者と2日間にわたって自由に意見交換する。
ところで本記事の発表を待って、同紙の提携先でありパリに本拠をおく英字新聞紙ヘラルドトリビューン紙は同日付けでサウジ国王が情熱を持って3宗教の会議を提唱したという書き出しで、解説記事を発表している。この重大な発表がサウジアブドラ国王から日本の政治家、マスコミに対する発言という形で進められたことに大きな意義を感じるものである。
http://www.iht.com/articles/ap/2008/03/25/africa/ME-GEN-Saudi-Interfaith-Dialogue.php?page=1
第2次世界大戦後、米国が復興支援として世界にドルを供給したブレトンーウッズ体制により始まった。その後ドルは絶え間なく印刷され、米国は自らの生産活動を抑制し、諸外国から商品を購入することで、ドルを世界中に配給した。その後ドルと金との交換停止、またプラザ合意を経てドルの基軸通貨としての位置付けは強化されてきた。結果としてドルさえ持っていれば世界中どこでも旅行や生活が出来る世界になった。しかしながらドルの過剰供給による世界的なインフレ懸念の問題に対して抜本的な解決を図ることはなされなかった。米国を中心とするG7はお互いに協調することで、過剰の供給されたドルをニューヨークの金融街と、ロンドンのシティーに集める、そしてその運用を投資銀行に一任し、投資銀行はそれをヘッジファンドなどの子飼いの運用会社により世界の株式に投資して、直接に人々の生活に関わらないところで運用を続けてきた。これは世界的な株・債券高という形で各国の経済発展に寄与してきたが、その間もドルは増刷されいよいよ天井を打った各国の株式市場に流れ込むことは出来なくなり、その結果米国は今まで道義的立場から避けてきた人々の生活に直接関わる住宅市場への参入を認めてしまったのである。その結果は周知の通りのサブプライムローンの破綻である。結果としてこの結果に焦りを感じた投資銀行は、今まで禁じ手として回避してきた、原油、穀物市場への投資をなし崩し的に認めてしまったのである。しかしながらこの行動は決定的な間違いを犯してしまった。即ち株や債権への投資とは違い、原油への投資は今まで金融街とシティーがほぼ独占的に手にしていた、余剰資金の産油国への流出を意味しており、その結果今までNYとLondonに事務所を持ってさえいれば自由に資金を手に出来た投資銀行はサブプライム問題による損失と、産油国への資金の移動によりもはや資金規模で産油国や貿易黒字国にかなわなくなってしまったのである。またそれぞれの富裕国政府はもはやあてにならない、投資銀行に投資するよりも独自に投資活動をしたほうが確実と判断して政府系ファンドSWFを設立して投資活動を行っている。
ところで歴史的経緯は上記なのだが、この一連の動きには数々の投資銀行を支配していた国際金融資本家の動きが大いに影響していると考えるべきである。実際に国際金融資本家は先の大戦において唯一の無傷であった戦勝国である、米国政府に巧みに入り込み、同政府が主導する形ですすめた世界の戦後復興のために、IMFを設立し、ドルを世界に復興資金として供給する仕組みを作った。またあわせて米国の中央銀行FRBを自らの影響下におき、自らが必要とするドルを思いのままに増刷する仕組みを作った。また時としてドルの世界への供給が滞った際は、各地で戦争を起こさせ、ドル基軸体制をその都度強化してきた。また歴代の米国政府は国際金融資本家が描く世界制覇の青写真をそのまま信じて、彼等を政府の中枢に置くことで世界制覇を進めてきた。結果としてその動きが旧ソ連をはじめとする社会主義体制を崩壊させ、米国を唯一の超大国にまで発展させた。その成功に自信を深めた結果、新資本主義の考え方をグローバルスタンダートの名目で世界に押し付けることを始めたのである。
しかしながら、一方で国際金融資本家が考えた青写真通りに世界は動かなかった、原油においては今までは中東が殆ど唯一の供給地域であったが、それが今ではロシア、アフリカ、南米と広がり、彼等が中東を押さえるだけではコントロールが出来なくなった、また無限の資金の受け入れ能力があると見られていた世界経済にも限界があることが誰の目にも見えてくる頃には、増刷されたドルの行き場を見つけることが困難になってきた。また米国が宗教対立や国際テロ、東西問題を理由として、引き起こした戦争はいずれも成果を上げることなく終了し、米国はその戦費を捻出するためにまたドルを増刷することになった。結果として余剰となったドルは原油や穀物に向かうことになり、金融街が手にしていた資金は産油国に渡ることになったのである。
今回のサウジ国王の発言は、この世界経済の実情をしっかりと見極めたうえで、もはやユダヤ系国際金融資本家の時代は終了したということを宣言したものと認識している。そして、出自を同じくする3つの一神教がかつてのようにともに争うことなく、共存する新しい時代を提案したのである。この動きは、まずドル経済からいち早く脱却することを目指して来た、欧州に受け入れられ、それが昨年11月のカトリック教皇とサウジ国王との歴史的な会見の成功へとつながり、そして今まさにこの動きに呼応した米国のユダヤ教の代表にも今受け入れられようとしているのである。これは一部ユダヤ教徒と一部のプロテスタント教徒の共同事業体である、国際金融資本家の世界支配の終焉を宣言し、ドルによる世界制覇を目的とした拝金主義を是正して、皆で平和に確実に生きることを示した提案と考えることが出来る。
ところでこの大きなニュースが、サウジ国王の口から日本の政治家に最初に語られ、それが世界に伝わったことに我々日本人は大きな誇りを感じるものであり、それだけに自らに求められている国際貢献について真剣に考えるべきではないだろうか?具体的には、今まですき放題に増やしてきた借金や破壊してきた自然環境の回復を手伝い、今まで地球から受けた借りをしっかりと返却することが重要なのではないだろうか? その為に智恵を働かせ、無駄を排除し、環境を守り、自然や他国との共存をしっかりと図れる方向に進むべきではないだろうか?その意味では今欧州が取り組んでいる動きに積極的に関わることが重要であると思う。
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