欧州に先駆けてGM食品を解禁 Vol.145
本日のフジサンケイビジネスアイに下記の記事がでていた。欧州では解禁されていないGMOコーンを日本は原料の入手難を理由として、国民の合意を得ないまま具体的な制限なしに米国並みに解禁するというのである。これはBSEの感染の疑いが強い、へたり牛の流通を許している米国産の牛肉を積極的に輸入して消費させることを奨励している現在の日本政府の米国従属のスタンスがまたしても示されたものとして注目している。実際に安全性の証明が出来ていないGMコーンを食品に幅広く使われているスターチとして流通させることは、大いに危険であると同時に何故そこまでしなくてはならないのか疑問に感じるものである。まずは当該の記事を引用する。
遺伝子組み換えトウモロコシ製品 食用に供給開始 日本食品化工、原料入手困難で
FujiSankei Business i. 2008/4/18 TrackBack( 0 )
世界的な穀物価格高騰を受け、原料に価格の安い遺伝子組み換え(GM)トウモロコシを使った食品が相次いで販売される見 通しになった。スターチ(デンプン)最大手、日本食品化工は米国産GMトウモロコシを原料とするコーンスターチを製造し、17日までに飲料メーカーなどへ の供給を開始した。他社もGMコーンスターチ量産の検討に入った。GM穀物を原料とする食品は消費者に敬遠されるとして食用油などを除きほとんど製品化さ れていなかった。
日本食品化工によると、輸入元の米国で非GMトウモロコシの必要量確保が困難になったことを受け、今年2月に初めてGMトウモロコシを輸入。年内に調達予定の75万トンのうち、15万トンをGMでまなかう計画だ。
工業用途の非GM製品をGM製品に切り替え、余裕のできた非GM製品を食品用に回すなどの対応をしているが、「すでに飲料メーカーを含む複数の食品メーカーからの要請に応じる形でGM製品の供給を始めた」という。供給先は明らかにしていない。
農林水産省によると「国内では天ぷら油などの食用油を除き、GM穀物を食品に使う例はほとんどない」(総合食料局)という。
一方、王子製紙グループの同業、王子コーンスターチは、大口ユーザーであるビール各社などと値上げ交渉を進める中で、値上げを回避するための有力な選択肢として、GM原料を使った製品供給の検討に入った。
同社はすでにGM製品の需要拡大を見越し、コーンスターチ製造設備を持つ化学大手、群栄化学工業などとと提携。今後、GM製品需要が拡大した場合、両社の製造ラインの一部をGM製品専用とし製品を分け合う考えだ。
日本が9割を頼る米国のトウモロコシは、石油代替燃料のバイオエタノール向け需要の拡大で生産量は年々増加しているが、非GMトウモロコシは作付面積が 昨年の約3割から今年は2割弱に減少。スターチ各社は契約農家に「ジャパン・プレミアム」と呼ばれる上乗せ料金を支払い食用向けの非GMトウモロコシを確 保している。
しかし、「2~3年後には入手が困難になる」(日本食品化工)見通しで、今後、さまざまな食品にGM原料の使用が広がるのは避けられないとの見方もある。
◇
■ビール・飲料各社、利用に慎重
ビール・飲料各社は遺伝子を組み替えていないコーンスターチの調達難と価格高騰という厳しい環境の中で遺伝子組み換え(GM)原料の使用に慎重姿勢を崩していない。当面は値上げで難局を乗り切る構えだ。
大手ビール・飲料各社はGM原料に慎重な理由に「安全性が確保されているというイメージがまだ定着していない」(サッポロビール)ことを挙げる。GM原 料を使用していると表示した場合、売り上げが3~4割減少するとの予測もあり各社とも製品・企業イメージの悪化を恐れている。
しかし、現状を維持したまま今後の急激な原料高にどこまで対応できるかは未知数だ。非GMコーンスターチは昨年1月以降、約2割も上昇した。それでも過 去2年で約2・6倍に急騰したトウモロコシ価格や原油高の悪影響は吸収しきれずスターチ業界は「存亡の危機にある」(日本スターチ・糖化工業会)という。
こうした中でスターチ各社はビール・飲料業界に対し非GMトウモロコシの値上がり分を負担するか、低価格のGMに切り替えるかの二種択一を迫っている。 値上げ交渉の激化に伴い、「ビール各社はGM使用に慎重姿勢を崩していないが、ジュースなどについては柔軟なユーザーもあり、温度差が出ている」(王子 コーンスターチ)という。
ビール各社は2月以降、相次いでビール類(発泡酒含む)の値上げを実施しているが、キリンは「原料価格の高騰が続き、利益を圧迫する事態が生じれば、当然、再値上げを考えることになる」としている。
◇
【用語解説】遺伝子組み換え(GM)穀物
遺伝的特性を変え、害虫や除草剤などへの耐性を強くし収穫量を上げたトウモロコシやダイズなどの穀物。日本では主に家畜飼料用に多く利用されている。政 府が安全性審査などを経て承認した種は食品に使用できるが、GMダイズは食用油などを除き、ほとんど食用に使われていない。GMトウモロコシは主に家畜の 飼料や工業向けが中心。コーンスターチはビールや焼酎、ジュースの甘味料(異性化糖)など食用のほか製紙など工業用にも使われる。
上記にもあるが、遺伝子組み換え穀物(GMO=Gene Modified Organisms)についての安全性は未だに証明されていない、一方あえて遺伝子を組み替えてまで穀物を生産する背景には米国のロックフェラー系農薬会社モンサント社の除草剤ラウンドアップの拡販を狙った背景があることはすでに前号で記載した。米国は自国が世界の穀物供給基地になることで、相手国の立場を従属化してその覇権を強めようとしており、現在のGMO作物の開発奨励、普及促進の動きもその世界制覇のための一つの手段として進められている。これについて、最近になって日本ではやっと食糧の安全保障の観点から米国に対する過度の依存に対しての問題提起はなされて来たが、現実には上記のように米国で承認されているという理由だけでなし崩し的に受け入れを進めている。それは米国産の牛肉それも骨の周りのもっとも危険な部分といわれている肉を牛丼という形で日本人の食生活に広めたことと同じことを繰り返しているのである。その結果、日本人は米国の安全性が疑われている牛肉を食することで実験台にさせられたのである、また今回のコーンスターチについても状況はまったく同じである、疑念が晴れないGMOコーンを使用したスターチを1億3千万人の日本人が食することで、その安全性を実験され、仮に問題がないのであればこれをデータとして世界に販売することが目的であることは明白である。しかしながら注意を要するのは、このような食品を食したことで起こる弊害は我々自身ではなく、次世代、3世代後の孫子の時代に問題が起こる可能性が高いことである。この疑いが晴れない中で簡単にGMコーンの使用を許可する政府の姿勢には疑問を呈しざるを得ない。
私は現在日本の医薬品の原料や健康食品を欧州に販売する仕事に従事しているが、その安全性を証明するデータの一つに必ずNon-GMO証明書、即ちGMOの技術による原材料を一切使用していないという証明書の提出を義務付けられている。欧州では、未だに疑念の残るGMO食品の販売は欧州政府が定める、一定の条件下でしか認められていないのである。しかしながら日本から見ると米と欧は常にあたかも一体であるかのような報道が多く、多くの国民が欧州でもGMOは認められているかのように誤解している。しかし実際には米国と欧州では食の安全に対する考え方が180度異なっている。その中で欧州市場を失いつつある米国は、今後ますます日本を含むアジアに穀物のマーケットを拡大することが予想される。その中で我国の政府は国民の食の安全を考えて、毅然たる態度で対処することが望まれる。しかしながら現実は米国の言いなりになって、米国が要求する商品の受け入れを決めて来た。ここでもう一度視野を広く持ち、どうして欧州がGMO食品を受け入れないかを良く検証してほしいと思う。
欧州政府の公式見解はこちら:
http://www.deljpn.ec.europa.eu/home/news_jp_newsobj1582.php
今回の発表により、我々には実害が生じている、即ち日本製コーンスターチを使用した加工食品にGMOコーンが入っていることが可能性としてあることにより、すべての原料を再度見直さなくてはならない。それをしないと自動的に欧州の市場を失ってしまうからである。このような大事なことを勝手に決めてしまう、現政府のやり方は非常に大きな問題であり、このままでは到底受け入れられないと考えるのは私だけだろうか?米国だけ見て物事を決めることは即刻辞めてほしいと思う。
「安全保障」カテゴリの記事
- 支配者にノー オバマ氏金融危機を追い風に有利な展開 Vol.182(2008.10.16)
- 三浦事件、テロ指定解除! 国民に冷淡、これで国民国家といえるのか? Vol.180 (2008.10.13)
- デリバティブ、拝金主義のまやかしに騙されるな。 Vol.179(2008.10.09)
- 何が詐欺で、どこが博打なのか?デリバティブ Vol.174(2008.09.17)
- お金と宗教の物語 Vol.176(2008.09.19)



Comments