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April 20, 2008

環境問題、欧と米は今やまったく別の考え方を持っている。Vol.146

17日のNHKニュースで下記の発表があった。非常に短いニュースであり、かつ他のメディアでは発表されていなかったので、あえてブログとして喚起を促したい。それでは早速同記事をNHKのホームページよりの引用する。

アメリカのブッシュ大統領が16日発表した、地球温暖化の原因となる温室効果ガスのアメリカの削減目標について、ドイツのガブリエル環境相は、各国 間のこれまでの合意より後退するものだと強く批判し、ブッシュ大統領の演説を「ネアンデルタール人の演説だ」とする異例の声明を発表しました。

ブッシュ大統領は16日、2012年に期限が切れる京都議定書以降の枠組みを視野にアメリカが2025年以 降、温室効果ガスを削減するという中期的な目標を打ち出しましたが、削減のための具体的な対策は示しませんでした。これについて、ドイツのガブリエル環境 相は17日、声明を発表し「先進国による積極的な規制や削減の努力なしに地球温暖化を食い止めることはできない」として、世界最大の温室効果ガス排出国で あるアメリカが強制力を伴う削減対策を盛り込まなかったことを厳しく批判しました。そのうえで、ブッシュ大統領の演説内容を、去年ドイツで開かれたG8サ ミットやバリ島での国際会議COP13での合意内容よりも後退するものだとして「ネアンデルタール人の演説だ」とする異例の強い表現で失望感をあらわにし ました。国際社会で環境対策を主導するドイツは、2020年までに温室効果ガスを1990年に比べて40%減らすという独自の削減目標を打ち出しており、 アメリカに対してもさらなる削減努力を促しています。

ところで、ネアンデルタール人といえば私の住んでいたデュセルドルフにその遺跡がある。ドイツのガブリエル環境大臣がどういった背景で、日本人から見ると唐突ともいえるネアンダール人を引き合いに出し、米国に対して過激な批判を展開したのであろうか?ネアンダール人は所謂現代人ホモサピエンスの前にヨーロッパに広く生息しており、その後滅びたと我々は教科書で習ったが、果たしてどうしてこのネアンダール人の演説が今の米国の大統領の演説と同じという環境大臣の比喩につながるのであろうか?ネットでネアンダール人について再度調べてみた結果は下記の通りである。
ネアンダール人は人類がこの世に生まれた以降数回の氷河期を経験してきましたが、その最後の氷河期といわれるギュンツ氷河期(9万年から1万2千年前まで)の期間の間氷期である4万年前に滅びたとされております。実際には氷河期といっても数回の間氷期が存在しており、この間氷期には今と同じように温暖化していたと考えられております。その温暖化した間氷期にネアンデルタール人は氷河期に自らが生き延びて来た過去の成功体験に固執して、温暖化しつつあった間氷期にも同じ生活スタイルを維持しようとして変えようとせずに滅亡したとされております。一方同時期にクロマニヨン人も共存していましたが、彼らは気候の変動に柔軟に対応して今の人類の祖としての基礎を固めたとされております。ということはドイツの環境大臣は米国の大統領に対して米国民はネアンデルタール人のように過去のスタイルに固執して自ら滅びることを選択していると痛烈に批判しているのです。したがいこのコメントは我々が感じている程度の優しいコメントではなく、まさしく米国の現在のやり方を根本から批判しており、6月のサミットを直前にして開催国である日本に対して、この両勢力間の融和を進め合意を形成すべき立場にいる国として、極めて真剣に向き合わなければならないという問題を提起しているのです。
またG8の中で唯一アジアの国である日本は、欧と米の異なる考え方に積極的に耳を傾け双方の考えを理解して、その上で皆が納得する対応をしてくれるであろうという希望も含んでいると思います。しかしながらNHK以外のマスコミにてはこの発言を発表することさえせず、まるでドイツ環境大臣の発言は個人的な見解に過ぎないかの取扱であり、これでは日本と欧州との距離はますます拡大することが危惧されます。

この稿では一貫して、無制限に印刷されるドルの存在の危険性にふれ、一方ではその動きと敢然と立ち向かい地域通貨ユーロを発行して自国の経済領域を確保した欧州の勇気と現在のユーロの安定を伝え、そして行き場を狭められた、余剰ドルが米国内に還流し、サブプライム問題を起し、これが米欧の投資銀行を直撃したことを伝えてきました。またその後も常に余剰感があり、受け入れ先を探し続けるドルはユーロや円に姿を換えて米国のみならず、他の先進国や新興国、発展途上国に投資資金として流れ、不必要な開発を進め環境を破壊しております。まさしく今回のドイツ環境大臣の発言は地球温暖化の阻止はそのまま今のドル基軸通貨経済体制存続に対する、警鐘へとつながり、もっと言えばドル基軸通貨経済体制の見直しこそが、地球環境の維持につながり、その実行こそがクロマニヨン人のごとく子々孫々に人類が生きながらえるための智恵であることを伝えているのです。
今世界は長らく世界の中心である欧と米が明らかに別個の動きをし始めております。その中で日本のマスコミと日本国民はもう少し両者の違いに敏感になり、その上で欧州の考えを知るべきです。もはや欧米という地域をひとくくりにした、単語は存在せず、日本は米との付き合い方と欧との付き合い方そのものを分けて考えなくてはならなくなりました。今後このことを良く認識して今後の方向性を決めなければ我々は今後も自分の立場を曖昧にて、双方との付き合い方を誤れば、再び米と欧の仲たがいに始まる、世界戦争の悪夢に巻き込まれる恐れがあります。それだけは絶対に避けなくてはなりません。

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