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June 09, 2008

韓国・米国牛解禁への反対運動 Vol.153

お隣の韓国で月齢30ヶ月以上の牛肉の輸入を政府が一方的に解禁をしたことに対する、国民の反対運動がヒートアップしている。これは韓国の国民の多くが米国牛に対して不安視していることの証明でもある。まずは6月8日の日経WEB版を引用する。

ソウルで警官とデモ隊60人負傷 米国産牛肉の輸入解禁に抗議
 【ソウル8日共同】韓国政府による米国産牛肉の輸入解禁に抗議するデモ隊数千人が7日深夜から8日早朝にかけ、青瓦台(大統領官邸)への接近を試みよう としたが、機動隊に阻止された。デモ隊の一部と機動隊は市街中心部で衝突、警官約40人とデモ隊の約20人が負傷、うち数人は重傷を負った。警察はデモ隊 を路上から強制排除した。政府への抗議行動は、連日ソウルで続いている。
 機動隊は隊員を運ぶバスをバリケードとして並べ、屋根に武装した隊員を配置。デモ隊側はロープでバスを移動させようとし、ガラスを割ったり、はしごを掛け屋根に上がろうとした。
 機動隊は消火剤をまき応戦。バスの屋根に上がった男性が取り押さえられたのにデモ隊が激高し、鉄パイプで機動隊員に殴りかかり現場は騒然となった。
 暴力に反対する参加者も多く、家族連れなど大半は機動隊との衝突前に帰宅。バスを壊した男性らに抗議する人もいた。(08日 23:45)

上記を見る限り、国民性の違いは有るとはいえ、民衆の抗議は過激である。しかしながら、日本と同じ、民主主義、自由主義を国是とする韓国において、米国牛の強制輸入ではなく、解禁というだけの決定に対して、これほど多くの反対が出ることに対しては今ひとつ理解に苦しむ。この過激な反応はブッシュ大統領の前で、それを決めた李大統領にとっても同様に想定外であったのではなかろうか?実際に米国牛の輸入が解禁になって、韓国のスーパーや肉屋の店頭に並んでもそれをしっかりと表示して、米国牛であることを示せばそれによって消費者は危険な食肉は消費せずに、安心できる国産の牛肉を購入につながるのではないかと思う。それなのに解禁という決定に対して、何故これほどの大騒ぎとなるのであろうか、これは邪推すれば、現在の同国の食品管理法では牛肉の産地の表記が曖昧でもよく、或いは偽装が一般化しており、たとえ韓国産と表示されても、現実に中味は米国産であるといった羊頭狗肉的な行いが一般化しているかもしれない。この点でこの動きについては、大衆の抗議の矛先が間違っているように思える。それではどうすればよいのであろうか?

私が考えるには、どうして米国産の牛肉が危険であるとされているのかという事実に同国民がもっと目を向けて、その原因について理解する必要があると思う。単に狂牛病のおそれがあるというだけではなく、何故そうなるのか、どこが問題なのかということをもっとしっかりと国民が理解すればよいのではないだろうか?仮に商品にしっかりとした産地の表示がなされていれば、安全な牛肉を欲する消費者については、米国産の牛肉はマーケットから淘汰されるのではないだろうか?これこそが正しい道ではないのだろうか?

今世界的な食糧危機や水の危機が多くのマスコミで取り上げられている、これは日本だけの問題ではなく、ヨーロッパや米国、他のアジアの国々でも同様である。その中で、米国は未だに人が自然に手を加えて好きなように改造することにこそ、人類の英知があるといった考え方を捨てようとしてない、その結果、資源の無駄遣い、遺伝子組み換え技術の穀物への応用、また食肉についてはクローン牛などの自然の摂理に反した研究を推進し事業化している。そしてそれが事業化した後にはそれを日本や韓国・中国また他東南アジア諸国を市場として押し付けている。一方これらのアジアの国はこの動きが米国の国策であることをよく分かっており、その危険性については正面から論ずることなく、輸入を従属的に解禁する。また一方でそれを受け入れることが商業的に見て有利と判断した、擁護派の企業は積極的に米国製品を取り入れ国内に流通させ既成事実を作り上げている。またその上で加工食品などには表示義務が不完全であることを、悪用してどんどんその利用を増やしている。そして販売価格を下げることで新たなる消費者を獲得していくのである。これによってこのような商品が市場に浸透していくのである。

ところで我家の近くにあるスーパーでは一丁39円の豆腐から、89円、また100円、200円と数多くの種類の豆腐が売られている。先日その違いは何かと疑問を持ち、表示を読んだら面白いことが分かった。いずれも遺伝子組み換え大豆は使用しておりませんとの記載があるが、次の原産地の項目には:
39円の豆腐: 原産地: 米国及びカナダ
89年の豆腐: 原産地: カナダ
100円以上の豆腐: 100% 国産大豆使用
この事実は何を示しているのであろうか?なぜ米国産と記載するだけで39円になるのであろうか?この応えは想像を豊かにすれば、すぐに回答がでる。それは;
流通業者からは、遺伝子組み換え大豆ではないとの証明書をもらっている。しかし一方で米国産については、流通段階での同大豆の混入の恐れがあり、本当に遺伝子組み換え大豆が混入していないとはいえず、むしろ混入の可能性は十分にある。証明書の内容に疑念が残り結局安くしている。
カナダ産については国策で遺伝子組み換え大豆の生産を禁止しているので一応証明書は信用でき、遺伝子組み換え大豆の購入については、安全である。
国産についてももちろん同大豆の生産を禁止しているので、証明書は確実であり、信用でき、大豆は安全である。

以上が現実である。ということは値段が安いからということで、39円の豆腐を購入して食べつづけると、日本にいても遺伝子組み換え大豆を摂取するという、潜在的なリスクがあるのである。こうなるともはやこの問題について国家が管理することは原産地を含む表示義務がしっかりと履行されているかをチェックすることのみが有効となり、各国の政府が米国製の大豆や牛肉の安全性を議論して輸入制限を実施してももはや手遅れである。

日本も韓国も民主主義を標榜する国家である。ということは、マスコミは自らの判断基準に基づいて持論を自由に表現することが可能であり、且つそれが出来てこそ本当の民主主義国家が成り立つのである。そこに政府の情報管理が加えられたり、干渉が入るとは、この仕組みを歪みさせる。すなわち政府の圧力により米国産牛肉の危険性の本質を一般国民に知らせることを意図的に回避し、その代わりに不満を抑制させるためにその問題を国民の抗議行動などの紹介に転化し、巧妙にその本質への言及を避けることが可能となる。また食品偽装の問題などを過大に報道し、まともなそれ以外のまともな表示についても国民に疑念を持たせることあえて行い、その結果食品表示法の義務規則すら骨抜きにする。これは恐ろしいことである。

このように米国政府が推進する、非自然食品の販売・流通を最優先に考え、マスコミを利用して意図的に世論を操作するやり方を消費各国がとることは、米国には評価されても、真に国民の食の安全にはつながらず、その結果、むしろ米国の遺伝子組み換え種子の利用や肉骨粉の利用を推進するだけである。そして安いということだけで流通させる仕組みがある限り、潜在的危険はますます増大するのである。日本にはレトルト食品や冷凍食品など数多くの加工食品があり、多くの原材料が利用されている。それらの原料一つ一つにしっかりと原産地が記載されているかといえば否である。したがい消費者はそのメーカーのブランドを見て、その安全性を判断するしかない、各食品加工メーカーはこの点でもしっかりと対応してもらいたい。

それだけに日本政府や韓国政府はいたずらに国民にとって、無意味な抗議運動をマスコミを通じて伝えることに貴重な時間を割くのではなく、食品の原産地の表示をしっかりと行うことを励行し、これに付帯する危険性の情報を客観的に国民に伝え、それが価格に反映していることをしっかりと国民に認知させることが重要ではないだろうか?

それが適切に行われれば、安全性に不安のある商品は市場より淘汰されるはずである。ところで本稿を書き上げてすぐに我家に先日贈られてきたレトルトパウチのビーフカレーを確認したところ、品名には高級・レストラン仕様とかかれているが、原料表示には、ただ牛肉としか書かれておらず、これは大いに米国牛を使用していることが疑われる。実際にはこのように我々の思いのよらない形でで確実に米国産牛肉は供給されていることは事実であり、この事実を冷静に考えると、極めて恐ろしいことといわざるを得ない。

参考:
BSE牛肉によるといわれているクロイツフェルト・ヤコブ病
http://www.med.or.jp/kansen/jakob.html
英国滞在者の献血制限
http://www.pref.tokushima.jp/Generaladmin.nsf/Topics/047EC6682665D75D49257015001F7922?opendocument

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Tracked on June 09, 2008 at 10:38

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