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July 10, 2008

【洞爺湖サミット】G8経済宣言 原油高に懸念 投機抑制で有効打なし Vol.159

サミットが無事終了した、最重要課題とされる地球温暖化問題については、課題の規模が大きくかつ将来に渡っての息の長いプロジェクトであり、わずか3日間で合意を見ることは難しいことははなから分かっており、その意味では皆が一つの方向に向いたことを確認したという意味では成果があったと思う。ところで私が今回のサミットでもっとも注目していたのは原油価格高騰に対する何らかの合意が先進国間で得られるかであったが、これについては見事に成果ゼロであった。本件についての産経MSNの記事を引用する。
 主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の経済宣言では、原油・食料価格の高騰に「強い懸念」を表明し、世界経済の 安定成長に深刻な影響を与えているインフレ圧力に危機感をあらわにした。ただ、価格高騰の要因の一つである原油市場への投機資金の流入規制には踏み込めず、原油価格高騰に拍車がかかる可能性が出てきた。原油先物市場への投機資金の規制を求める欧州の一部と、市場を重視する米英との対立も顕在化。原油高対策の難しさを改めて浮き彫りにした。 「透明性の向上はより良く機能するエネルギー市場、ひいては良い需給バランスにつながる」

G8がまとめた経済宣言で示されたキーワードは「透明性」だ。生産体制を明確に開示しない産油国と、実態の見えない投機資金が、価格高騰の原因だと暗に示唆、情報の開示を求めた。原油高対策では、需給面での逼迫(ひっぱく)解消に重点が置かれ、供給面では、生産量の増強と精製能力の向上の必要性を指摘。消 費国には原子力など石油に頼らないエネルギー源の多様化などの対応を求めた。 一方、根強い投機資金規制論に対しては、欧州の一部首脳が投機資金の動きに強い懸念を示したが、英米は「需要見通しが供給を上回っていることが主因」と強調。意見はかみ合わず玉虫色の決着で終わった。ブッシュ米大統領は「強いドルは自国の利益」と、“口先介入”をしたものの、投機資金のドル離れを食い止めるのは難しい状況だ。
 欧州では消費者物価指数が4%台に上昇し、インフレは景気減速よりも深刻な課題。アフリカ7カ国との拡大会合では、アフリカ諸国からインフレに苦しむ悲鳴が相次いだが、G8の温度差は対応策を先送りさせる結果となった。 1バレル=145ドルまで進行したニューヨーク原油先物市場の原油相場はサミットを控えた7日、一時140ドルを割り込み、終値は前日終値比で4ドル近く 下げた。ただ、G8結束と影響力には微妙なほころびが見え始めており、世界経済の先行きには一段と不透明感が漂っている。(石垣良幸)2008.7.8 19:00  産経MSN 一部割愛

上記の記事から本件について先進国の内部で米英と欧州各国間では特に投機資金への見方に対して大きな見解の相違が有ることが分かる。即ち米英は今回の高騰は中国・インドの需要増に対する供給量の不足が最大の原因としているのに対して、独仏を中心とする欧州各国は、これは投機資金の原油市場への無制限の流入が原因にあり、これを規制すべきとの見方である。結局議長国である日本はこの双方に、組することはなく仲裁役に徹した結果何も結論を得ることが出なかった。ところで今回キーワードとされた透明性とはどういうことであろうか?同記事によると、現在不透明なものとして;
1. 産油国の原油生産の実態
2. 誰が、どのような形で投機資金を投入しているのか
この2点である。これに対して米英は今問題の根本は1.の透明性が掛けていることのみであり、2.は関係ないとしている。一方欧州各国は1.は同意するが、もっと重要なことは2.を解明することであるとしていた。しかしながら、今回の決着は1.に皆同意するが、2.についてはこれが原因かについては多くの見方があるということのみを合意することで終了してしまった。結果的に原油の問題について言えば英米側の一人勝ちで終了してしまったのである。そして今後も投機資金の流入については、制限をおこなわないことが確定しこれにより原油価格の高騰はますます継続することが見込まれるのである。

ところで実際に先に米投資会社のゴールドマンサックスが発表した数字によると、米国石油市場での一日の産油量が40万バレルであるのに対して、現実に一日で取引されている原油の数量は、1-5億バレルと、1000倍以上に上っているということである。(6月10日付、Fujisankei Business) ということは1バレルの原油に対して1000バレル分前後のペーパー取引が行われており、投資銀行に莫大な利益をもたらしているのである。それにもかかわらず、米英はどうして、そこまでして投機資金の原油への流入を認めずに彼らを支持するのであろうか?この点について考えてみたい。1980年代以降、米英は自国の製造業や農業の競争力衰退に苦慮して来た。そして将来を考えた時、製造業や農業ではすでに実力をつけていた日独や今後大きな供給国となる南米や豪州には勝てないとの判断を早々と下し、現状の維持あるいは徐々に衰退の方向に向かうことを容認した。一方でそれに変わる産業として国際基軸通貨であるドルを有効利用して金融業を国の産業の核に据える事を決定したのである。そのためにまずドルの信用度をあげることを行った、それは米国が世界の警察官として圧倒的な軍事力を持つことで、この面での対抗勢力をなくし、その力を背景に世界各国にドルは安定しており、安心な通貨であるというイメージを植えつけたのである。そしてその上で世界中にたんす預金として眠っていたドルを高金利をつけることで世界的銀行業の実質的な本社として機能しているニューヨークウオール街の投資銀行に向けて回収し、その巨額な資金を先進国を始めとする世界の株式・債券市場に振り向けたのである。これにあわせて米英両国は国際金融における、グローバルスタンダート(世界共通の基準)なる言葉を発明し、彼らが決めた規則を世界中に押し付けていった。これに対してすでに工業化に成功し、輸出の成功により多額の自国通貨を世界に流通されていた、第2、第3の基軸通貨として目されていた、西ドイツマルクと円への信頼は急激に低下していったのである。具体的にこの決定を取り決めたのが85年のプラザ合意である。その結果、世界の目はドルを獲得することこそが、お金持ちになることという考えが生まれたのである。実際に世界中に分散していたドルを一手に回収したニューヨークとロンドンの投資銀行は、それを元手に世界各国の株式・債券市場に投資を行ったのである。またそれを受け入れた世界各国も自国の株式が上昇することは良いこととの認識になり、喜んで外国人投資家を受け入れ、また関連法律も内国民と同じ待遇に改めていったのである。それによりグローバルスタンダートは国際金融を通じ経済発展を達成するキーワードとなったのである。そして金持ちになることを目指す多くの若者は米国や英国に留学して国際金融を運用するノウハウを伝授するMBAの資格を取ろうと躍起になったのである。そして90年代には世界中が各国の株式相場に注目するようになり、グローバルスタンダート信仰は頂点を極めたのである。しかしながら同時にこの仕組みは崩壊に向けてのシグナルを徐々にだが発信し、衰退への道に向かっていたのである。

その崩壊はまず、先進国の中で最もドルを受け入れていた日本に起こった。日本人は他の世界と同じかそれ以上に株式の高騰に酔いしれていたが、果たしていつまでそしてどこまであがるのであろうかと人々は心配を始めた、そしてそれがちょっとしたきっかけで現実となると株が高いうちに他の投資に鞍替えしておくべきであろうと思うようになり、それが土地に回ったのである、それにより日本国内は株と土地の両バブルに見舞われ、それらの価格上昇で潤った人々はその分を必要以上の無駄遣いに回し、金を使う行為そのものを幸せと感じ、浪費をし続けたのである。しかしながら、バブルの崩壊により、固定資産は目減りし、無形資産の部分は、結局バブルの消滅とともにものの見事に吹っ飛んでしまったのである。そして東南アジアでは、日本での失敗を教訓とした、外資はそれまで投資してきた、タイやマレーシアまたお隣の韓国の株式からその崩壊を待たずに、いっせいに手を引き始め、高い株価を元手に事業資金を獲得していた多くの企業を倒産に追い込んだのである。日本と異なり、彼らの悲劇は事業が多国籍化しておらずに、基盤が国内にしかないことで外資の一斉引き上げの対象とされたことにあったからである。この結果世界はグローバルスタンダートの名の下に実行される外国資本の投入に対して漠然とした不安と疑念を持つようになったのである。即ち、この巨大な正体不明な資金を無制限で受け入れることにより本当に幸せになれるのかといった根源的な問題に悩むことになる。そして何故、米英の会社のみが投資行為を行うかという点で疑問を持つようになったのである。

そこで欧州大陸諸国を中心に、この仕組みについて、大いなる分析が加えられたのである。その結果、この仕組みに内包されている重大な欠陥を彼らは見抜くことになったのである。それはそもそもこの仕組みが受け入れられた理由には、利用されるドル資金の出所が世界各国にたんす預金として眠っているドルの有効利用であり、その総額は有限であるはずであった。しかしながらその後の動きは、米英はこのたんす預金の回収をするために、米ドル金利を高いところに維持しつづけることに困難を感じ、やめてしまったのである。そしてその代わりの供給方法として、米国の消費型経済を推し進めることで多額の輸入を行い、その決済対価としてドルを無制限に発行することに方針を変更したのである。しかしながら結果として生じる膨大な貿易赤字には目をつぶり、そして代わりに貿易黒字国である、日・中・台湾そして産油国には貿易で手にしたドルを無条件で米国債の購入に使うことを要求し、これによりドルを米国に還流させそれを元手に再度投資しているという誠に身勝手な事実を突き止めたのである。この自己規律を捨てさり、自分の利益のみを考え、安易な方法でグローバルスタンダートを押し付ける米英の動きに対して欧州諸国はその悪影響を排除するために反旗を翻したのである。それが域内の経済統合によるブロック経済化と新通貨ユーロの発行である。これにより域内の株式や債券の購入については一旦ドルをユーロに両替してからでしか、使えなくなったのである。これは小額の金利差で運用益を出す、投資銀行にとっては致命的な問題である。その結果ドルは欧州という大きな市場を失ったのである。しかしながら、経済成長を続けるアジア及び産油国として安定している中東は別であった、日本、中国、を始めとする各国は今まで同様にドルに対する信認を表明し、また最大の産油国であるサウジも同様にドルを支え続けたのであった。しかしその後大きな問題が起きたのである、ユーロ圏の誕生後も、その実効を過小評価した米英はユーロの存在を無視して、ドルの供給を継続したのである、しかしながら2度のイラク侵攻やアフガン問題の長期化により誰の目にも米国軍の凋落が理解でき、そして世界各国の株式・債券市場もピークをすぎたことを悟った時点で、市場はドルが供給過剰である事実を認識し、近い将来価値が下落すると予想したのである。その結果多くのドル資金を安定しているユーロに振り替える動きが起こったのである。しかしそれだけは足りなかったのである。そして次に探した投資先がまさしく原油、穀物、資源なのである。これらの商品の取引所はいずれもニューヨークやロンドンにあるが、従来はその市場で取引に加わる人間はすべて直接商品の販売や使用に関る人のみに限定されていた、しかしながらこれらの商品の価格が比較的安価に抑えられていることを認識した投資家は新たに、自らは商品の需要を持たないが、これを投資の対象と考えて売買に参加したのである。しかし本来実需のある人のみが参加できる取引市場に簡単に関係のない人間を参加させることによって弊害は起きないのであろうか?これは分かりやすく言うと、寿司ネタのマグロで例えることが出来る。というのは、寿司の世界的ブームによりマグロの需要が世界的に増加した、一方世界のマグロをもっとも多く取り扱っている市場は東京築地である、したがい世界の市場の指標価格は東京築地のマグロの取引価格を採用するという動きが出てくる。結果として今では世界のマグロの取引価格は東京築地市場の価格が利用されるのである。ところである評論家が将来マグロの乱獲により寿司ネタ用のマグロの確保は難しくなると発表したとしよう、そうなるとマグロを高値で買い占めようとする人間が出るかもしれない、しかしながら実際にはそうはならない、それは築地の市場にて取引をする資格が持つ人は業界に精通しており、このような投機行為は行わない人間に限定されているからである。しかしながら原油や穀物では実際に実情を無視した、価格の高騰が起きている。これはまさしく、本来実需をもつ企業や人間しか参加できない市場に米英は投資会社が参加することを許したことを意味している。そしてそれらの企業名や氏名を秘匿して彼らの活動を支持しているのである。これでは即ち、余剰ドルの投資先に困った投資銀行を米英政府が支援しているということであり、もっと直接的に言えば米英政府がドルの下落リスクがなくなるまで、ドルの原油や穀物市場への流入を認めているということになる。そしてそれが今回のサミットで容認されたのである。

言うまでもなく、原油や穀物は人々の生活にとっての必需品である。その価格が高騰すれば当然のことながらその負担を強いられるのは一般の庶民である。本日の新聞発表でも世界各国で物価高、インフレの懸念が猛烈に高まっている状況である。これはまさしく、表向きは民主主義を標榜していながら、実は一部のドル運用者の利益を守る現在の米英両国の新資本主義者の本質を皆の前に示したことになる。今回のサミットの決定には落胆するとともに、なにもできない先進国には将来はないと感じてしまうのは、私だけだろうか?

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Comments

■地球温暖化詐欺(3)-呪縛から解き放つ!
こんにちは。洞爺湖サミットも終わりました。周りの期待も大きかったようですが、私自身は所詮お祭りだと最初から思っていましたので、まあこんなものかなと思っています。環境問題も議題にあがってはいましたが、まあ、さしたる前進もなかったようです。環境問題に関して、地球温暖化そのものや、地球温暖化説CO2説を前提にしていれば、さしたる前進がないのは当然のことです。これら、両方の話は十中八九間違いです。私をはじめ多くの人が、このことについていろいろなところで言及しています。しかし、ほんどの人がco2説は正しいものとしているようです。しかし、これは単なるひとつの学説にすぎず、しかも間違えている可能性がかなり高いです。このことに関して、「地球温暖化詐欺」という動画はYouTubeに掲載されています。私のブログにこの動画を掲載するとともに、私自身のこれに対する意見も述べてあります。私自身はもうそろそろ多くの人がco2の呪縛から逃れるときだと思っています。ぜひ私のブログをご覧になってください。

Posted by: yutakarlson | July 10, 2008 at 14:55

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>ドルが崩壊したら、日本もお陀仏、さらに、世界経済がクラッシュして、その時こそ世界統一通貨の登場になったりして。本も読まずに、すみません。 残念ながら、推奨した本にドル価値崩壊後の世界に関する説明はありません。(笑) 現在の経済価値観と経済制度を前提とするならば、ドル価値の崩壊により、世界経済がクラッシュし、それを解決するために世界統一通貨の確立が目指されることになるはずです。 『米国の「デフォルト宣言」→新世界通貨体制』 で書きましたが、世界支配層は、行き詰まった「近代経済システム」を建て替... [Read More]

Tracked on July 10, 2008 at 20:13

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Tracked on July 11, 2008 at 11:55

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