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December 08, 2008

もったいないの精神と現代科学融和の結晶 太陽光発電 Vol. 186

先週のWTI市場の原油価格はとうとう40ドル代となっている。ご承知の通り本年の7月には150ドルにももう少しまで高騰した原油の価格がわずか5ヶ月という短期間のうちにこのように3分の一以下に減価しております。この急激な動きを見るにつけ、如何に現在の市場取引が余剰資金の投資先として利用されているのかがよく分かります。それだけに今後の原油価格の動向については需要と供給だけでは判断できない点が多々あると理解しておくべきです。結果としてこれからも原油は余剰マネーの投資家の都合で価格変動をするのでしょうか。需要家としてはまったく迷惑な話です。ところで原油とは世界の経済活動において、一体どのような位置づけの資源なのでしょうか?原油は燃える液体即ち燃油という側面と、ナフサを利用してのプラスチックなどの素材の原料としての側面があります。私はサラリーマン時代、このプラスチックの原料になるナフサから得られるBTXから派生する商品を取り扱っていたので、これらの商品に多少の縁はもっております。そしてその有用性について、ある程度は理解できているつもりでおります。そしてエネルギーの元である燃油と素材のもとであるナフサはともに現代社会で必要不可欠な原料であることにはまったく疑いを持っておりません。しかしそれほどに重要な原油の価格が、何故いとも簡単に上下してそれが社会の不安定要因となってしまうのでしょうか?それについて考えてみると、アングロサクソンの強欲資本主義者による取扱の独占という負の側面が見えてきます。それでは詳しく検討を加えて見ましょう。

原油の形成については種々議論されておりますが、一般にいわれるように太古の時代の植物が太陽エネルギーを受けることにより変性し、それが地下に埋蔵されたものという考え方でまずは、間違いないと思います。ということは原油資源というものは、地球が太陽エネルギーという、恵みを受けて育った植物が、これまた太陽エネルギーにより変性し、その上太陽エネルギーによる気象の変化や、火山活動によって地中に埋められた、後世に残された遺産であると考えることが可能です。そしてその遺産は運びやすく、加工しやすく、かつ高エネルギーを簡単に得られる優れた資源であったのです。即ち太陽エネルギーが形を変えて、時を超えて、現代の我々に提供されたボーナスのようなものです。ところでこのすばらしいエネルギーが最初に大規模に発見され、商業生産されたのは、前回も述べましたが米国ペンシルバニア州のドレーク油田です。そして次に大量に生産されたのはアゼルバイジャンのバクー油田です。結果として米国と英国がその覇権を握ることになったのはそのためです。特にバクー油田の埋蔵量は時の世界需要の70%にも及ぶ数量で、これにより米英即ちアングロサクソン人の原油への関与は決定的になります。そして1943年のサウジアラビアにおけるアラムコ(アラビアーアメリカ石油会社)の設立により原油における世界覇権が達成されました。しかし今考えると、太陽の恵みにより地球にもたらされた資源がアングロサクソン人という一部の民族にのみ独占されるということは極めておかしなことです。そしてそれを認めざるを得なかった当時の社会情勢にその原因を求めることができます。即ちアングロサクソン人は第一次、第二次の二回の世界戦争の勝者であり、その後の支配権を手にした民族であったからです。その結果残念ながら我国も含めて敗戦国は彼らに従うことを余儀なくさせられたのです。

その後米国はこの原油の支配権を最大限に利用して、自らに富を集める方策を確立させます。それがドルの基軸通貨化であり、ドルと金との交換停止による不換紙幣化です。どういうことかというと、原油の価格をドル建てにて取り決め、ドルによってのみその売買が可能である仕組みを他国に受け入れさせたのです。そして一方ではG7を組織してドルを基軸通貨として信認させることを合意させたのです。その代償としてG7加盟国へは原油を有利な条件での安定供給を保証したのです。その結果先進国は自国の工業化にとって必要なエネルギー資源をほぼ制限無く好きなだけ手にすることが可能となり、強力に工業化や化学農業化の推進をすすめ、低コストの工業製品や食料資源の輸出国となることで富を蓄えて現在に至ったのです。一方でその際の決済通貨に他国がドルを利用することで、米国は労することなく、世界における超大国の地位を手にしたのです。また他方、中東地域には何かと理由をつけて、米軍を派遣してなにかあった際には恫喝することで、彼らを従わせることを怠りませんでした。即ち原油とドルによる世界支配の体制が完成したのです。

しかしながら80-90年代に相次いだ、北海油田やロシア油田、また中南米やアフリカに置ける新油田の開発は、米国が支配する中東油田の相対的な地位低下を生み、その後、あまりに過剰に供給されたドルの効率的な運用先が見つからない中、余剰ドルが原油市場そのものに供給されるという米国にとっては予期せぬ状況が起こりました。これが米国が築いてきた支配の方程式を根本から揺るがす事態となったのです。即ち、世界各国に原油の使用を遍く行き渡らすための条件として、原油の価格が安いことが必要です。即ち伝統的なまきや石炭などのエネルギーに比べて簡便であり、コストが安いことで初めて新たなる顧客が生まれます。しかし一旦これが崩れてコストの高いエネルギーとなってしまえば、もはや原油の優位性はなくなるのです。その結果ドルを手元に置く必要性もなくなるのです。したがいアングロサクソンとくに米国は原油価格の高騰による需要量の減退を何よりも恐れておりました。しかし2006年に起こったサブプライムローン証券の破綻は行き場を失ったドルの落ち着き先を求めて、禁じ手であった原油市場に流れ込むことを容認してしまったのです。その結果短期的に急激に上がった原油に対して、割の合わないコストの高いエネルギーとしての評価が一気に市場に広まり、原油の消費が急降下したのです。その結果あちこちに原油の余剰が発生し、未だに価格低下に歯止めがかかりません。一方原油を使わない生活を意図しない形で味わった庶民は、いままでの原油漬けの生活に疑問を持ち始めます。果たして原油を今までのように無条件で浪費することが正しいことなのか、そして自分の子供、孫の時代までそのようなことをし続けてよいのかと真剣に考えるようになりました。この思想の変化は極めて重要です。世界の一般の人々の思想が原油を節約する方向に変わったのです。

一方、それと歩調をあわせるかのように、太陽エネルギーの直接利用法が開発され、進化しております。即ち効率の良い太陽光発電が可能であり、一般家庭では十分に太陽光だけで必要なエネルギーを確保することが可能となったのです。仮に政府が、米国が支配する原油の将来の見切りをつけ、積極的に太陽光発電を奨励しこれを新しい政策として採用したら、ますます原油の需要は限定されます。その結果、相対的に米国の影響力は低下するのです。米国は日本にその政策を取らせないように、原油を最大限利用する国づくりを求めてきました。またそのためならば、自国市場も制限を求めず日本メーカーに開放しました。結果としてトヨタや本田などの自動車メーカーやキャノンやリコーなどの文具器メーカーは米国向けの商売で十分に潤いました。またそれにあわせて過剰な生産設備を作り、貴重な資源の無駄遣いをして来たことも事実です。そして原油以外の資源の有効利用については、あまり重視しなかったようです。太陽光発電は原油のように汚染が発生しないクリーンなエネルギーです。そして燦燦と輝く太陽の恵みは世界中の皆に平等にもたらされます。そしてその有効利用について日本は疑いなく世界の最先端を走っているのです。これこそ日本人にもたらされた天恵ではないでしょうか。

今米国も政権が8年ぶりに変わり、今までのような無駄や浪費の継続は許されなくなりました。今こそこの機会に日本も必要な構造転換を図るべきでしょう、それは原油依存体制と、米国依存体制の二つの依存体制の見直しにあると思います。原油依存体制の見直しは、太陽光発電の推進や、種々燃油利用の省エネ化が必要です。一方米国依存体制については政治の英断が求められます。

アジアには伝統的に‘’もったいない‘’の精神を尊ぶ思想があります。今こそこの思想を再認識して、孫子の代までの安定を図るべきではないでしょうか?そのためにも日本が率先して太陽がもたらすエネルギーをもったいないの精神で有効利用し、太陽光発電を世界に広めることこれは日本の将来にとっても極めて重要な政策であると思います。この結果原油の資源枯渇も遅らせることができ、産油国の支持も得られるのではないでしょうか?

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