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December 09, 2008

太陽光発電 もし小泉首相と竹中大臣がいなかったら。。。 Vol.187

最近かつて世界においてもっとも優位に立っていた日本の太陽光発電がその普及においてドイツに抜かれ、アジアの近隣諸国の猛追を受けている。その結果かつてのように絶対的な評価は得ていない。今世界的に低酸素社会の実現が叫ばれ、日本政府もこの動きにあわせている中、かつてのように太陽光発電に国家規模で力を入れるべきではないだろうか、しかしながら日本がバブル崩壊後とってきた政策は必ずしもこの流れには乗っていない。この点について検討を加えるとともに、今後の方向性を考えてみたい。

現在米国の金融恐慌により日本においても対米向け輸出がまったく振るわずに、企業は減産を表明し多くの失業者があふれつつあるという危機に瀕している。バブル後のつかの間の好景気もこれから迎えるべき大不況に対して色もあせて見える状況である。ところで多くの評論家やマスコミで取り上げられているように、米国連銀のBernanke議長が先日、今後米国政府はバブル崩壊後の日本が採用した金融政策、即ちゼロ金利政策とそれに付随する量的緩和政策を取り入れるという異例の表明をした。これは膨大な金額の財政赤字と貿易赤字を持っている国家にとって、少しでもその運用を間違うと致命的ともいえる重大な発言である。しかしながらこのゼロ金利政策と量的緩和政策はそれほど有用な政策なのであろうか?

この発言に対してJPモルガンのエコノミストが早速、バーナンキ議長をBernake sanと日本風にさん付けで呼び、その政策を揶揄している。即ち、ゼロ金利政策はイスラム金融と同じであり、また量的緩和政策とは米国債の米連銀自らの買い付けを意味しており、それは決して資本主義国が取るべき政策ではないと発言している。

ご参考まで:

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aziecc.MkO28&refer=home

ところで仮定の話として、仮に小泉、竹中組がこの政策を取らなかった場合、日本は今どういう国になっていたのであろうか?大胆に予想をして見たい。

バブル崩壊により、多くの企業や銀行は多額の不良債権を抱えていた、これまで多くの会社が本業から離れて、多額の資金を借り入れ、或いは、手元にある余剰資金を株式や土地に投資していた。結果としてそれらの行為が日本中に蔓延し、皆が競って同じ行為をすることでバブルが起こり崩壊した。そして多額の債務を抱えていた会社が次々と倒産し、債務返済は滞り、それが次の倒産へとつながっていった。また運良くつぶれなかった会社にも多額の回収が難しい、不良債権が残った。結果多くの会社では自己資金は水の泡となって消滅し、銀行からの借入金と未回収の不良債権が手元に残ったのである。また日本の平均株価は7000円台とバブル期の35000円と比べ5分の一に下落したのである。この時点で現実には小泉、竹中組が登場し、まず金融機関の再編と国家による資本注入を行い、金融機関の再編を行う、ここではそうはならないと仮定して話をすすめる。

この疲弊した経済を見て、これをチャンスと見た、一群がいた。それはニューヨークウオール街とロンドンのシティーに拠点をおく、投資銀行とその配下のヘッジファンドである。即ち彼らにとっては、世界に誇る技術を持ちながら、副業である財テクや土地や不動産への投機で信用を失った、会社に対する投資行為により、乗っ取りそれの転売を行うことが非常に割りの良いビジネスと映ったのである。その結果登場したのが、その尖兵として米系の格付け会社である。彼らは米国式の会計基準を、有無を言わさずに押し付け、その基準によりどんどんこれらの会社を投資不適格として格付けして彼らの資金の供給源を絶った。その際バブルで多額の不良債権を抱えていた、邦銀にはすでに国内の会社に資金を提供する余力は無く、結局資金が必要な会社は米英の投資銀行あるいはヘッジファンドに資金提供を求めるしか方策が無くなっていたのである。しかしながら彼らが投資対象として認めるための指標は厳しく、その達成は簡単ではなかった。結果として多くの会社が倒産し、或いは他社に吸収合併をさせることになった。銀行においても同様であり、多くの銀行が倒産或いは事業統合を余儀なくされ、最終的にはかつては13行あった、都市銀行が3行に集約された。政府はこの間、預金保護は失業対策に忙殺されていた。

一方豊富な自己資金を所有して、バブル期にも本業以外に手を出さなかったいくつかの企業にとって、この状況は極めて有利に働いた。即ち多額の銀行からの借り入れや社債などで会社を経営していた、同業他社が消滅したことで労せずして巨大市場を得ることになりまた以前からの問題であった余剰生産設備の問題も解決した。また市場の拡大にあわせるための自社の製造能力の拡大も必要となり、そのための新規設備投資も必要となった。結果として他社の競争からの脱落・淘汰により事業業績は極めて好調となり、その結果多額の投資を開発研究に振り向けることが出来たのである。日本の企業は古くから省エネにおいては、他国と比べて特筆すべき技術をもっていたが、一方で量産技術の確立については投資を惜しんでおり、多くの場合でコスト優位性がなく、中国や韓国、台湾のライバルに負けることが多かったが、この期間に行われた、本業の強化により世界に比類も見ない圧倒的な競争力を確保している企業が数多く生まれた。特に太陽光発電では、ライバルである台湾、中国、韓国製品と比べ、品質面で圧倒しており、世界を席巻する力を有するようになったのである。

その結果これらのエネルギー関連の新技術の発展により、日本の原油の購入量は漸減するようになるが、一方で新エネルギーの開発により電気のコストは下がることになり、日本中の製造業の競争力強化や家計費の削減に寄与するようになった。そして余裕が出来た資金の一部は第3次産業たとえば旅行や外食などの回るもその多くは、バブル型ではなく、多少価格が高くても質の良いものを嗜好する方向に向かったのである。また日本の製造業の圧倒的優位が明確になるにつれ、日本円は上昇し、その結果世界各国より日本企業誘致の声が掛かるようになったのである。またその結果銀行金利も正常レベルの金利に上昇し、リスクの高い株式投資などになけなしの資金を投入する必要もなくなったのである。

一方、米国を始めとする先進国は相変わらず、金融立国を目指し株式やデリバティブ証券へのシフトを強めていたが、サブプライムローン問題が発生するといっせいに、債権を証券化した商品に必要な配当ができなくなった、その後日本も含めて一時的に世界の株式市場の下落が起きたが、日本においては新エネルギー関係の好調がつづいており影響は軽微であった。そしてその後決定的なことがおきた。即ちデリバティブ証券から流れた資金が、原油市場への投機筋の参入により流入し、原油価格が高騰すると、日本が得意としている新エネルギー関連の技術への需要が拡大し、日本は米英の発の金融恐慌の影響はまったく受けることなく独自に発展を遂げることになるのである。そして日本が持つ太陽光発電を始めとする新エネルギーの技術を導入したいとする中東諸国が相次ぎ、日本の企業はこれらの企業との提携により将来に向けての事業の安定化を図ることが可能となったのである。産油国の各国は自国の貴重な資源である、原油を如何に長く合理的な価格で販売を続けるかが喫緊の課題であり、それを実現する手段として新エネルギー技術の導入を国策として決めたのである。

原油価格の高騰は、それまで安い価格で原油を湯水の如く浪費することで経済を活性化させてきた、米英にとっても大きなインパクトになった、その結果それらの国でも環境問題に対して常に注意を払うようになり、新エネルギーに対する需要は高まり、その結果日本の指導力が求められることとなったのである。そして象徴的な事実があった、2008年8月8日の北京オリンピックの開会式で使われたメインの会場のすべての電源の供給という任務が日本企業に求められたのである。あのきらびやかな開会式のすべての照明設備及び電源が日本企業が得意としている新エネルギーでまかなわれたのである、これは極めて画期的であり、日本には夢のある明るい未来があることを世界中に知らせることが出来た象徴的な出来事であった。

以上が小泉首相、竹中大臣がいなかった場合の日本である。これはあくまでも都合のよい、仮定に過ぎないが、実際に日銀がゼロ金利及び量的緩和政策を取らずに銀行の統廃合を自然のままに行い、他人資本に頼らない健全性を確立しいたら、今の日本の企業は、今回の金融恐慌に対してもしっかりとした抵抗力を維持していた筈と思われます。特に日本が採用した金融政策は結果的に国民の利益を守ったというよりも一部の米国市場を目的とした、原油消費型の製造業への梃入れと、それらのユーザーの後ろ盾となっている米の金融立国の延命をしただけの効果であったことは明白であり、サブプライムローン破綻による世界的な金融恐慌の発生を持って失敗したと断言してよいと思います。そしてそれを教訓としない、米国連銀及び米国政府のあくなき金融緩和政策への固執はいよいよ米国経済とドル基軸通貨体制を崩壊へと導く愚策であると感じております。本当にそうなるか、今後の動きに注目したいと思います。またあわせて日本の産業構造の転換を一刻も早くすすめ、来るべき脱原油時代に備えるべきであると思います。

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