« お金の管理ができない現政府から通貨発行権を剥奪せよ。 Vol.195 | Main | ブッシュの痛恨事 Vol.197 »

March 04, 2009

巨大企業米国株式会社のリストラ Vol.196

資本主義とは一言で言えば金儲けの為に人間が生きていくことである。という事は、仮に政府がその政策に資本主義を掲げればこれは、政治が金儲けに向けて動き出すことを意味しており、結果として国家自体が金儲けの為に政策を行うことになる。これは正しく85年以降の米英および日本がたどってきた道そのものである。かつて日本を株式会社にたとえた、著作は多くあったが、米国そのものを株式会社にたとえた著作はなかったものと思う。今回は戦後の米国をひとつの株式会社として説明を試みたいと思う。

第二次世界大戦が終了した後、世界の先進地域であった、欧州や日本は壊滅的な状態であった。そして人々の日常に必要な生活物資すら満足に供給されない状況が続いた。

そこで世界で唯一の無傷な先進国であった米国は世界中が求める生活物資を供給する役割を担ったのである。そしてそれを単なる無償支援ではなく、ビジネスとして行い自国にも利益をもたらす仕組みづくりを画策したのである。その鍵となるのが米ドルの基軸通貨化であり、世界中いたるところでもドルが使用できる仕組みづくりである。そしてその業務遂行機関として組織されたのが、米国大統領を業務執行責任者COOとする、米国株式会社なのである。

この会社は特殊である。即ち営利会社でありながら、自ら通貨の発行権を認められていたからである。そしてまず荒廃した旧列強に対して、ドル資金を必要なだけ融資した。具体的にIMF事業部なる社内組織が、ドル資金を提供し、それで得たドルを利用して復興に必要な物資を導入させたのである。当初から米国株式会社には時の戦勝国は無条件として社員として入社することを許されており、これらの支援事業を円滑に進めるために、英君や仏君も社員として入社していた。一方米国株式会社の最大のオーナーであり、最大の株主である支配者達は戦争の加害者である敗戦国と共産主義国は思想の問題があるとして、社員としての受け入れを拒んだのである。その結果、独や日本へは資金の融資は行ったが、社員としての独君や日君の受け入れは認めなかったのである。一方共産主義勢力であったソ連や中国にたいしては敵対意識をむき出しにして、軍事的に対抗する道を選んだのである。即ちオーナーの意向によりこれらの共産圏とのビジネスは制限されたのである。

その後十分な資金提供により息を吹き返した、独君と日君は順調に生産力を回復し、日常物資においては米国よりはるかに優良な製品を安価で提供する力を有し始めたのである。そこでオーナーは自国の製造業者を見限り、彼らに対しては転職を求めていった。そして独君や日君に支払う対価としてドル紙幣の印刷を増大させて、気前良く支払ったのである。そして同時に彼らを社員として向かえることにしたのである。そして一方でオーナーは米国大統領にCOO(最高執行責任者)付与した権限を強化して、ドル紙幣の世界中における流通を拡大することを事業目標としたのである。その結果COOはまず自らの腕力を強くすることを志向して、軍事力を強化したのである。またその力を証明するためにヴェトナムやアフガン、イラクなど少しでも歯向かう国家は容赦なく押さえつけ、その威光を諸外国に示したのである。その上でドルを効果的に流通させるために、戦後供給地点が中東に偏っていた原油に目をつけ、国防総省に特別な権力を与え、イスラエルを傀儡化することで軍事的な睨みを利かせ、同省に管理支配の下で、原油の売買にはペトロダラーといわれる米ドルのみが使用される、流通方式を義務付けたのである。一方では独君や日君には新たな仕事として、原油消費を拡大するための消費物資の製造および世界への普及という仕事を与えたのである。またCOOは直接的に世界各国の政府に対して、道路網の整備を進展させ、電気の利用を普及させ、文明化と称して、化石燃料の消費量の拡大を図ったのである。その結果独君および日君は世界に冠たる自動車や家電の製造国となり、この功績が認められ85年に晴れて米国株式会社の取締役に最年少で昇進したのである。その時の取締役会の構成は、COO米国大統領、同補佐:英国首相、取締役:仏大統領、新任取締役:独首相、日首相、伊首相、この人事を決めたのがプラザ合意である。その間米国株式会社の運営も順調に拡大したのである。それは株式会社の印刷するドル紙幣の総額が確実に増大し、それに加えてそれまで敵視していた共産主義国家に対してもドルが手元にあればどんな物資でも購入可能との認識を植え付け、正しく世界の基軸通貨としての立場を固めることとなったのである。そしてそのことは共産主義国家の盟主であった、ソ連の崩壊へ進展し、一方の雄であった中君の米国株式会社への中途入社へとつながっていく。

ところでここでいう社員というのはどういうことであろうか?それは米ドルを給与としてもらうことで生計を立てる国ということである。即ち米国COOの望む仕事を確実にこなして成果を挙げることで、その対価として米ドルを獲得する国のことである。その意味では独君や日君はもっとも優秀な社員であった、そして85年にはともに取締役に抜擢されている。また78年の鄧小平政権による政策転換による、中君の劇的な入社とその後の貢献により21世紀の今では中君も中途入社としては最初の取締役になっている。これも日独君と同等な貢献をしたとの評価であった。しかしこれは、取締役といえども、給与をもらうためにまるで会社の奴隷のように働くサラリーマンの姿そのものであり、これと同じ姿が日君や、今の中君と二重写しになるのである。

その後順風満帆であった、米国株式会社も85年の独君と日君の昇進を境に徐々に衰えを見せ始める。それはあまりに無制限に発行したドル紙幣の費消対象が枯渇しつつあったからである。そこで歴代のCOOは意図的に原油ピーク論を流布して、原油の価格高騰を思いついた。しかしながら結果としてこのやり方はうまくいかなかった、即ち原油価格が上昇すればそれだけ代替可能なクリーンエネルギーの開発が進められるからであった。そこで焦ったレーガンCOOの時代に決められた会社再生プラン、ドル紙幣の持続的発行政策が新自由主義であり、その戦略としての金融のグローバリズムなのである。これは端的にいうと世界中に余剰となっている、ドルを一旦、ニューヨークウオール街のメインセンターとロンドンシティーのサブセンターに高金利・高配当を提供することで集中させ、それを世界の株式、そして新たに開発された証券への再投資を行うことで限定的かつ独占的に、拡大する戦術をとったのである。これは当初はうまく機能した、というのは余剰のドルの使い道に苦慮していた世界の金持ちがその利殖をウオール街の企業に委託するだけで安全に元本の保全はもとより利殖が可能となったからである。その結果、米国株式会社は世界の投資銀行として君臨し再生を果たしたのである。

このことは米国株式会社主力事業は、戦後すぐには、巨大製造業としてその名を世界にとどろかせ、その後の中東原油の独占供給会社、そして85年以降は世界の投資銀行業務会社と時代の要請にあわせて柔軟に変化してきた事実を示している。しかしながらこの3回目の変身は大きな問題をもたらしたのである。それはこの投資銀行業務の成功に気をよくしたCOOが本来の使命である米ドルの印刷を新たに編み出した、レバレッジという打ち出の小槌を振りまくり、あまりに急激に拡大させたために、投資銀行業務がバブル化し、それが必要とする膨大な財源確保の為に、個々の仕事に対して無理を強いることになり、結果としてサブプライム問題を起こし、一気にバブルが破裂したのである。

ところで、日君とともに最年少で取締役に抜擢された独君はその後与えられた、待遇即ち、いつまでたっても米ドルでの給与しかもらえず、仮にもらっても米ドルが無制限に発行されるので減価がすすみ、一向に豊かにならないことに嫌気をさして、年長の取締役の仏君と同期の伊君を誘って、辞表を出し、現在は自らが主導して新基軸通貨ユーロを使った同じ事業を模索している。もちろんこのクーデターともいえる3人の取締役の動きに対して支配者やCOOは非常に大きな怒りを覚えており、現在の両社関係は極めて不健全である。ところで日君はその後の献身的な貢献が認められ順調に常務にまで昇進した。これはCOO、英君COO補佐に次ぐ、ポストである。しかしながら実権は乏しく、特に昨今の金融危機により自ら獲得したドル給与の自主返納を求められ、米ドル国債の購入の取りまとめ役を担当させられ、新進気鋭の中君などに同じく米国債を購入を受け入れさせることが仕事となっている。

一方支配者は、先の人事でCOOをリストラ派のオバマ氏を選任した。そしてオバマ氏は矢継ぎ早にリストラ策を実行している。そして状況によっては日君に退社を促す素振りすら見せている。公式的には日君、英君とはトライアングル経営を標榜しているが、果たして実際はどうなのか、疑問が残っている。今までの有能な米国株式会社のCOOならば次の事業を起こすであろうが、さて今回はどんな事業となるのであろうか、オバマ新COOはグリーンエネルギーをその根幹とすると発表しているが、これを推進することはいまだに米国株式会社の根幹である、原油事業部の利益と真っ向から相反する。即ちグリーンエネルギーを増やすということは、オーナーがCOOに期待しているドルの増刷は限定的であることを意味しているのである。しかし楽観的な経営者はグリーンエネルギーでも証券化は可能と発言している。しかし存在が偏っている原油に対して、太陽光や風力は地球民の誰にでも等しくもたらされる、果たしてのそのようなものが投資の対象となるのであろうか?大きな岐路に立っているといわざるを得ない。

ところで話を戻してみよう、1929年の大恐慌の際に米国株式会社にリストラCOOが指名されたフランクリン・ルーズベルトである。そして彼はニューディールという数々のリストラと内政投資をした、しかし結果的には同社が自画自賛する程の効果をあげることは出来なかったとされている。一方でその後欧州が戦乱に突入し、第2次世界大戦が発生し、それに米国株式会社が関与することで、見事経済的な復活を果たし、世界の覇権を握ったという歴史が存在している。オバマCOOがこれと同じことを繰り返さないことを期待したい。そのためには金のかかる世界で突出している米国軍の率先したリストラこそ必要なのではないだろうか?

本来政治と経済はお互いに補完すべきものであり、一体化するものではない筈である。しかしこの戦後65年に渡る米国株式会社の歴史は、米国の政治経済が一体化して来たことを示している。株式会社化した米国政府が拝金主義を標榜し、政治を後回しにて経済のみに注力してきた、危うい時代であることを我々は今認識すべきなのである。この認識こそが21世紀を生き抜く智恵を絞り出す、源泉となるのかもしれない。

|
|

« お金の管理ができない現政府から通貨発行権を剥奪せよ。 Vol.195 | Main | ブッシュの痛恨事 Vol.197 »

ポスト強欲資本主義」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/76174/44240424

Listed below are links to weblogs that reference 巨大企業米国株式会社のリストラ Vol.196:

» 中国株最新情報をお届け [WINTRADE 中国株情報]
究極のほったらかし投資! 中国株投資で、投資小金持ち続出中です。WINTRADE 中国株情報では、200〜400%の短期上昇銘柄からほったらかし投資向けの株まで、最新中国株情報を配信しています。... [Read More]

Tracked on March 04, 2009 at 12:09

» 石油ピーク後の世界 [晴耕雨読]
幸運なシナリオ:日本の場合 「2050年は江戸時代」石川英輔著(2010年ピークオイル⇒終りの無いオイルショック⇒世界経済崩壊⇒世界恐慌⇒日本食糧危機 この小説には、2050 年の日本人の生活と、どのような経過でそうなったかが(老人の記憶を通して)描写されている。 小説にはっきりとは書かれていないが、行間読みをすれば、食料とエネルギーの輸入が2015 年から急激に減り、2020 年までにはゼロとなったことがわかる。 日本経済は2012 年頃から少しずつ凋落し、2020 年までに大都市は基本的... [Read More]

Tracked on March 06, 2009 at 17:41

« お金の管理ができない現政府から通貨発行権を剥奪せよ。 Vol.195 | Main | ブッシュの痛恨事 Vol.197 »