脱「米国依存症、官僚主義」 Vol. 200
おかげさまで、本通信も200号を迎えることができました。中国・欧州に滞在しながら、見た祖国日本の姿に漠然と疑問を持った2003年から始めた、このブログは日本への帰国など、数々の環境の変化を経ながらも、継続して皆様のご理解を頂き、先月には延べ3万人以上の方のご訪問を頂きました。これも単に読者の皆様のご支援の賜物であると感謝するとともに、私自身もそれなりの自覚と責任を感じております。ところで本日朝の時間に多少余裕がありましたので、NHKを見ており、総合テレビで新型インフレの政府発表を見終わったところ、突然画面が大リーグのヤンキース戦に切り替わり愕然としました。というのは同じNHKのBSでも大リーグを放映しているからです。それも今の新型インフルエンザの感染元は、メキシコ、米国であるにも関わらず、何事もないかのように大リーグ中継を放映するNHKの能天気な態度には甚だあきれました。まさしくそこまでやるか???です。
たまたま、アドレナリン値が上がったところで、いつも参考にさせていただいている、産経新聞の田村さんの視点がビジネスアイの記事として掲載されているのを目にしましたので、そのまま転載させていただきます。これこそが今日本政府が、日本国民が直面する問題の本質であると思います。
【視点】産経新聞編集委員・田村秀男 脱「官僚主義・米国依存症」促す金融危機
2009/5/22
■民主、小手先の選挙戦術は無用
民主党は小沢一郎氏に代わって鳩山由紀夫氏が代表の座に就いた途端に、同党への支持率が急速に回復した。小沢氏の「説明責任」不足や「鳩山は小沢の傀儡 (かいらい)」というメディアの批判的論評など世論はさほど気に留めなかったわけだ。そんなことよりも、未曾有(みぞう)の金融危機下の閉塞(へいそく) 感打破に向け政権交代への期待を民意は告げている。この期待に応えられないようだと、民主党はそれこそ千載一遇のチャンスを逃し、日本丸の漂流は果てしな くなる。
◇
小沢氏は官僚主導型政治の抜本改造を提示していた。第7艦隊で十分、と言い放っていた日米同盟関係は緻密(ちみつ)な推敲(すいこう)と戦略思考の末に 打ち出されなければならないが、いかにも乱暴だった。だが、戦後一貫して官僚主導と対米依存路線できた自民党へのアンチテーゼ、あるいは対立軸としての意 味合いは大きい。
今回の金融危機は米国式金融資本主義というよりも日本の宿痾(しゅくあ)を衝(つ)いている。日本の官僚主導体制とは、外交・安全保障、通商、財政・金融に至るまで、米国の政策動向を解釈、翻訳して「対米協調」の原則にすり合わせるエリート官僚の仕事のことである。
早い話、日本の1980年代後半のバブル経済は「日米協調」のもとに展開された金融政策に起因し、90年代のバブル崩壊不況期の野放図な土木工事は米国 からの強い指示で実行され、財政赤字のヤマを残した。日銀による2001年以降のゼロ金利・量的緩和と円安誘導は米国の容認を前提とし、一方で経済構造を 外需依存に傾斜させた。ゼロ金利は「キャリートレード」を盛んにさせ円安と米金融バブルを増殖させ、100年に1度の大津波の動因になった。
不良債権処理も日本は自力で再建できず、結局米国の後援による「小泉・竹中・宮内改革」に終始、米国の利益になる金融部分だけが米ファンドに食われてお しまい。肝心の官僚主導経済体制は逆に太ってしまった。「改革」の隙間(すきま)を衝いた霞が関の狡智(こうち)とでも言おうか。
だが、国を支える民は逼塞(ひっそく)。国家予算、つまり一般会計と特別会計合計で06年度GDP(国内総生産)の半分、あるいは借り換え債償還を含めると7割にも達する。崩壊寸前時の旧ソ連と比較できるほど異常な官僚社会主義体制ができあがっているではないか。
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官僚社会主義化は今金融危機を受けてさらに促進される。追加経済対策56兆8000億円という奇怪な数値は特別会計や日本政策投資銀行など政府系金融機 関の巨大化を、各省庁ごとのばらまきによる権益拡大競争を意味する。90年代後半、公共投資で大盤振る舞いしたときは、予算消化に汲々(きゅうきゅう)と し、施設(ハコモノ)には値の張る大理石をわざわざ大量使用したほどだが、今度も大理石調達騒ぎが再燃すると、霞が関では話題になっている。
こんな官益主導の経済構造下では財政支出が民間需要や民間投資を誘導する効果は乏しい。官が経済の依然5割以上を支配していた崩壊後のソ連がそうだっ た。日本は少子高齢化の影響で家計貯蓄率は急速に低下し、可処分所得の2%を切り、借金大国米国に逆転されている。赤字国債を大量発行して貯蓄を動員して 国が支出に使っても、付加価値を生み出さなければ国民の富は永遠に失われ、財政は破綻(はたん)、年金支払いも大幅増税なしには不可能になる。
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オバマ政権は、軍事で強大化する中国への防波堤として日本を位置づけ直して中国を牽制(けんせい)しつつ、衰退する日本の金融パワーの代替先として中国 を利用していく。先の北朝鮮のテポドン発射時にゲイツ米国防長官は「米国に飛来しない限り迎撃しない」と言い切ったのに、麻生太郎内閣は沈黙。麻生首相は ロンドンの金融サミットでもドル基軸支持を強調し、反抗的なメルケル独首相を非難したが、席次は末席という扱い。でも対応は麻生スマイル。
鳩山民主党が政権をとる資格は日本の対米依存無思考症候群を変えられるだけの国家像とタフなパワーを持っているかどうかにかかっている。小手先の選挙戦術は無用だ。
田村さんは、上記にて官僚主義を打破することが、米国依存をなくすという順序で論評されておりますが、私はあえて、脱「米国依存症、官僚主義」として、米国依存症からの脱出に取り組むべきと考えております。これは外交権をつかさどる政治家すなわち、これから日本を率いる民主党は、まず国民に対して、これまでの日本の経済発展は、米国追従システムを作り上げた、日本の官僚組織を基盤とした政治によってもたらされたことを認め、その上で、今米国自身が変わりつつあり、その変化の結果、もはや米国頼みでは、日本の経済発展は望めないということを、はっきりと国民に対して示し、それに代る新たなる経済活性化策を一刻も早く国民に提示し堂々と官僚主導政治を改革することであると思います。それは、これまでのように官僚の経費の無駄遣いのみをあげつらう消極的な姿勢ではなく、米国依存そのものを遂行して、勢力を保ってきた官僚主導政治の基盤を変革することを広く国民に訴えるべきであると思います。それができない限り、国民は現状を維持する判断を下し、民主党を支持することはできないものと思います。そしてその不作為は自民党の体質である官僚依存および米国追従政治を継続させるばかりではなく、今の困窮財政に止めを刺すかのように、新たなる赤字国債発行を進めます。そしてそれは将来の借金帳消しのための増税へと直結します。ここでいえることは、民主党が自らの率先して、米国との関係を見直すことを表明し、それを過去60年以上に渡って支えてきた官僚主導政治を見直すことが重要なのです。これができない限り、自民党の政治は継続し、それは官僚主導の国家運営を容認する今の体制が続くことであり、結局もたらされる巨額な財政赤字を尻拭いを国民がすることになるのです。
繰り返します、今この混迷を打開するには、米国追従をきっぱりと取りやめ、その代わりにアジアの隣国との共通の土台での経済政策を進めることで、日本が主導しての新アジア共同体を作り、自主独立路線を立ち上げることが民主党の目指すべき道であると思います。そしてそれに官僚が従わないのであれば、政治家の特権で彼らを辞めさせ、新たな人材をその席に据えればよいのです。それを行うには今回の総選挙は絶好のチャンスです。これ以上落ちることがない、経済ですから何でもできます。我々国民は、この千載一遇のチャンスを生かさなければ、将来の日本国の安定は望めません。21世紀を日本が生き抜くのキーワードは正しく脱「米国依存症、官僚主義」なのです。
ところで米国という優良な市場を失って、日本は経済的に生きていけるかと危惧する向きもあろうかとおもいますが、その心配は無用と判断します。日本には世界に冠たる高品質の製品やその製造・加工技術が十分に存在しております。そしてそれを諸外国に販売するノウハウもまだまだあります。そして今後は従来の様に米国市場向けのみに特化していた製法や製品規格をアジアの隣国の消費者の嗜好にあった形に改良するだけでよいのです。そしてそのヒントはすでに中国やインドで成功している率先垂範をしている日本の企業が具体例で示してくれております。経済界は新しい時代に向けて、自信を持って臨むべきであると思います。
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