友愛社会の実現を支持する。Vol.199
この一ヵ月間投稿を控えておりました。それは小沢民主党前代表の秘書の起訴や新型インフルエンザの発生など、今まででは考えられない動きが突然発生したことで、今後の動きに見極めが必要と思ったからでした。実際に一ヶ月以上に渡って考えておりましたが、その後の小沢前代表の辞任、鳩山新代表の選任によってある程度の動きがつかめるようになりました。ところで昨日の民放やNHKで早速新代表の鳩山氏が自らの考えを披露しておりましたが、その中で本人が自らの目標として掲げた友愛社会の実現という考え方は極めて的を得たものであると感じました。
それでは、なぜこのこの考え方が今必要なのかについて、私なりに考えてみました。その背景を正しく理解するためには、現在我々が直面している金融恐慌に端を発した世界的な不況、また拝金主義を肯定する新自由主義の存在を改めて見直す必要があると思います。実際に新自由主義(新資本主義)は金の獲得のためには自由競争を容認し、その結果発生する格差社会そのものに対しては、なんら対策を示さずにただ敗者として放置する考え方でした。その結果どういうことが起こったでしょうか?確かに資本をつかんだ一部の人間はそれを独占して大きな金額の報酬を手にし、一般人では想像できないような夢のような浪費生活を実現しました。そして社会は彼らを成功者として称え、崇めました。しかしその結果同一国民間の生活に格差が生じ、その日を生きていくことすら難しい貧困層が大量に発生したことも事実です。ここでもっとも問題とすべき点は、この貧困層人口の増大なのです。なぜならば本来資本主義社会内では消費者として市場の安定化、拡大化に貢献すべき一般層が拝金主義の蔓延により貧困層に転落することによって、市場の縮小が起きたからです。米国ではサブプライムローンを貧困層に提供することで一時的にこの問題に対してカモフラージュを掛け、市場縮小の顕在化の先延ばしをしておりましたが、所詮は一時しのぎの資金提供による、金融市場の維持拡大を図ったものにて、結局はピークを過ぎた急激な土地価格の下落により、この問題は一挙に顕在化し、世界中に不況をもたらしました。即ち今回の世界不況は、富が金に形を換えて、そしてそれを一部の人間にのみ集中させたことを容認したことにより発生した人災なのです。
ところで日本での様相は米国とは若干異なりました。即ち日本においては富は米国の様にウオール街や食糧・資源関係の一部の金融従事者に富が集中するのではなく、米国に商品を輸出して利益を得た輸出型製造業にその富の多くが集中したのです。結果として自動車メーカーや電機メーカーは多額の収益を上げましたが、頼みとする米国の消費意欲が低下するともろにその影響を受けたのです。そしてその結果発生したのが派遣などで働いていた人々の雇用の喪失、それに引き続く貧困化です。その結果日本も米国と同じように市場の縮小を招いております。
こうした経緯、背景を見ていくと問題は新自由主義にあるといえます。そして正確に言えば新自由主義がその主義遂行によって副作用的に発生する格差の問題を無視した点にあるといえます。そしてそれこそが今友愛思想を提起するための直接的な理由なのです。即ち友愛思想を前面に出すことで、政府の主導により富の偏りを是正して、貧困問題を解決しその結果新たなる市場を造り、国家経済の建て直しを図るというものです。実際に過大な富を手にした一部の人々はすでに多くのものを手にいしており、もはや新規に消費財を購入することなど考えません。一方で貧困層はその消費財を購入しようにも、その資金すら持っていないのです。結果としてメーカーがいかに良い商品を製造してもそれが売れないということになるのです。それを解決するための方法として友愛思想が必要なのです。
ところで、米国でも拝金主義の行き過ぎの是正が叫ばれております。そして無駄遣いを改めようとのキャンペーンが広がっております。一方で今回の中北米発の新型インフルエンザについても米国内に数多く存在している医療保険を持たずに病院にもいけない多くの貧困層の存在がその背景にあることは間違いありません。そうなるともはや米国市場は過去のような購買力を持てなくなります。そうなると日本企業の対米市場向けの輸出戦略は見直しを迫られます。それでは通常の経済活動に必要な、資源や食糧を持たない我国はどのようにして、食いつないでいくのでしょうか?この問題の解決こそが、将来にわたって日本が生き延びるための鍵になります。
私はこの問題の解決の一つに、ヨーロッパ諸国が立ち上げた欧州連合がそのモデルとなると思っております。即ち日本がいまだに十分に所有している資本や技術を積極的に中国やインドなどのアジアの諸国に移転して、これらの大国のインフラを建設の支援を効率的に進めることで、日本の資産は新たなる富を創出することが可能と思います。EUは独・仏・伊と始めとする西欧大国が自らの資本と技術を積極的に東側の旧社会主義国家に提供し、彼等のインフラを増強することで、自らの資金と技術を回転させて、米国に頼らずに自助努力による安定した内需型経済を構築しているからです。その意味でアジアには中国とインドという、大量な資金需要がある大国が存在しております。その大国の安定的な経済成長に必要な社会基盤作りに日本が主導的な支援を提供することこそがこれからの方向ではないでしょうか?そしてその際にかつて東南アジア諸国から忌み嫌われた金儲け至上主義ではなく、皆が友愛の精神を持って取り組むことが必要なのです。
日本には米国人には受け入れられなかったが、中国やインドの人に受け入れられる多くの技術や商品が存在していると思います。今後それらの一旦はお蔵入りとなった技術や商品を資産として見直し、相手国が本当に必要としている、商品の製造販売を事業化することで少なくとも米国からの富の減少を補うことは可能ではないかと期待しております。
ところでここ数日、関西地方での新型インフルエンザの感染例が数多く報告されております。このことは、米国やメキシコと同じように日本にも格差問題が発生し、容易に感染症が蔓延する状態となっていることを意味しております。結局世界的なインフルエンザの流行の背景には経済政策の失敗、格差社会の問題の顕在化があることを我々は再認識すべきであると思います。
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