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July 03, 2009

いまドルを持っていても、米国債位しか買うものがない? Vol.206

我国は戦後、米国の影響を強く受けて、自由と民主の名のもとに順調に経済成長を成し遂げ、誇らしくも先進国の一員として世界中に認められるまでになった。これは奇跡とも言える戦後の荒廃からの復興であった。そしてそれに対して国民の一人として本当に誇りを感じている。しかしながら一方で、世界的な金融恐慌が発生し、その渦中にいる現状は閉塞感に満ちており、将来に不安を感じるのは私だけであろうか?とりわけここに来ての、金融危機回避のために無制限に発行され供給されるドル紙幣、またそれにあわせるかのように大型補正予算を組んで発行される日本円、本来ならば、こういうときこそ自ら進んで節約を心がけ、耐え忍ぶべきであるが、現在、日米両政府がやっていることはまったく正反対であり、将来にわたっての不安が増幅されている。

今巷ではエコカーやエコポイントなど、環境問題に対する認識が日増しに強まっており、今後の日本の方向性を示しているが、一方でこの動きは過去に日本がたどってきた道とは異なった方向に進もうとしているように思える。たとえばエコカーが増えると当然ガソリンや軽油の消費量が減る、またコンビニ弁当の廃棄が減れば、プラスチック容器の需要も少なくなり、結果的に原料のナフサの需要も減少する。エコポイントなどの制度で一時的に家電の買い替え需要が発生したとしても、その後は使用する電気の使用総量は減る。また太陽光発電が普及すれば、直接的に火力発電への需要が削減され、その結果重油などの化石燃料の消費が減少する。すでにこの傾向は明らかに現れてきており、製油会社の設備稼働率は大幅に落ち込み、事業統合や余剰設備の廃棄のニュースも頻繁に出てきている。その結果長期的に見て我国の原油の消費量は減少することが明らかになってきている。

また米国によりもたらされた、小麦食や肉食という食文化についてもここに来て大きな変化が現れている、過去には財政余力があった、米国政府は小麦やコーン等の穀物農家に大量の補助金を提供してその営農を支援して、増産を図り、あわせて広大な農地と機械化、化学化農業を推進させ世界一安いコストで農産物を作り、それを世界中に供給していた。そして日本はその米国発の農産物の一大消費地となり、食文化も伝統的な米や魚を主食とする和風から、欧米型へと移行していった。そして今ではパンや麺類そして肉食は日本人にはなくてはならない食の一つとして幅広く普及している。しかしながら、もともと米国から輸入していた穀物は米国の経済が落ち込み以前ほどの補助金が提供されなくなると徐々にだが、市場での競争力を失っていく。そして決定的なことには、ブッシュ前政権が発動したコーンのバイオ燃料化の支援する政策である、これにより、穀物相場の先高を敏感に捉えた、国際金融資本家は世界中からニューヨークに集めら得た余剰マネードルを一気に穀物市場に投入したのである。その結果穀物の価格が大幅に上昇され、日本などの消費国から見れば、高い小麦やコーンには魅力がなくなり、結果として、日本でも伝統的な食物をの生産を復活することが推進されている。そしてこれは地産地消という安全な品質志向ともあいまって、確実に拡大する趨勢にある。

ところでここまで書けば、賢明な読者の方ならばお分かりだと思うが、我々日本人がせっせと稼いで貯めたドルの使いみちが年々狭くなっているということが分かるのである。特にドルの最大の使いみちである、原油と食糧の消費がともに減少しており、その結果ドルは常に余剰となり、その中で確実な運用をするためには米国債や金融街が発行する証券を購入するしか使いみちがなくなっているというのが現実なのである。しかしながら今回のリーマンショック発生以来の経緯が示すことには、この金融街が発行するドル建ての証券の多くが紙切れとなり、以前のように利益を生み出す安全確実な投資先とは言えなくなって来ている。その結果いよいよ一生懸命働いて貯め込んだドルの使いみちに我々は窮することになるのである。

このような状況下、日米安全保障の名の下で、思いやり予算などという米軍の駐留経費をドルで支払うことや、今話題となっているステルス戦闘機のF22の購入は、使い道の限られたドルの費消には有効である。しかしながら今の日本にとって、自衛隊の設備を増強することや沖縄のように大規模な米軍の駐留を受け入れることは、果たして必要な政策として意味を持つのであろうか?いやもっと直接的に言えば、多額の経費を使って維持している軍隊が目標としている目的は何なのだろうか、そして我々が認識すべき仮想敵国はどこなのだろうか?今の政治においての問題は、この点での議論がまったくされていないのである。

今北朝鮮が核武装をして、自らの軍事力を誇示しているが、果たして北朝鮮一国のために日本は米国・中国についで、世界第3,4位とも言われる軍事費を保持する必要が有るのであろうか?それは違うと思う。そうなるとどこが仮想敵国なのであろうか?しかしながら、この回答を探すことは困難である。敢えてこじつければ、それは東アジアにおいていまだに共産党が政権をとっている大国中国の事なのかもしれない。しかしながら中国は経済政策では日本と同じ米国との協調路線をとっている。そして米国にとっては、今経済的に衰えが目立つ日本だけでは今の米ドルを支えきれない情況がつづいている中で最も信頼すべきパートナーである。そしてオバマ政権は明らかに中国に対してドルを支持して欲しいと秋波を送っているのである。このような機運と情勢の中で、日本は、米国の利益そして中国の利益を考慮してその双方に利をもたらす行動を起こすべきではないだろうか?

米国が我国に同盟国として望むことの中で、何が最も重要なのか、この点を日本政府と国民はしっかりと考えなくてはならない。日米双方にとって膨大な経費がかかる在日米軍をそのままにすることが、果たして双方の国益になるのであろうか?一方でその在日米軍を通して、中国に対して与え続けている脅威と圧力はどの位のものであろうか、そしてそれにより、どれだけ米中、日中間での正常な政治経済の交流が阻害されているかについて、考えるべきである。北朝鮮の独りよがりな行動に口頭では反対はするが、一方で同国の存続を認めつづける中国の真の狙いはどこにあるのであろうか?それは正しく北朝鮮を沖縄他の各地にある米軍基地に対しての緩衝地帯として認識していることに他ならないのではなかろうか?我々は今冷静にこれを見つめ直し、今後の外交政策を議論しなくてはならない。戦争の悲惨な経験をし、2回に渡る原爆投下という虐殺を受けた日本人こそ、この問題に対して率先して対策を提示して、絶対に戦争を繰り返させない努力をしなくてはならないと思う。

今ドルの買い支えをできる経済的に豊かな国は、中国と日本と産油国位しかない、そして米国は真剣に日中両国の助けを求めている。しかしながら年々ドルに対する需要は減っている。したがいこの矛盾する情況の中で、日中両国は結束して叡智を集め、智恵を絞り、積極的に米ドルを支援することで東アジアの安全保障を確立すべきではないだろうか?

はっきりと指摘しておく、北朝鮮問題の根源は日米安全保障条約の存在による、中国の日米に対する不審がその背景にあり、そこを解決しなくては、永遠に東アジアの安全保障上の不安は継続することになるのである。結局この問題の原因は日米両国にあることをもう少し考えるべきである。こう考えると日本が中国に働き掛け、ともにドル支援を表明し、一方でアジアの軍縮を訴えることこそが我国に与えらた平和への貢献という使命なのではないだろうか?そしてそれがかなえば米国債を購入することで予想されるドルの更なる価値下落を極力抑制し、かつ発生した損失に対しても十分な備えができるのではないだろうか?

一方で、日本が引き続きこの問題を避けつづけ、曖昧な態度をとり続け、その結果中国の興味がドルから離れ、米ドルの基軸通貨としての機能が破綻をきたし、米国国債や金融街が発行する金融商品の販売がストップすれば、もはや米国から購入するものが完全になくなる。そしてそうなると米ドルの価値は暴落し、同国の景気は一気に悪くなり、頼るところは適当な理由をつけて、戦争を起こし借金を踏み倒すことしか方策はなくなる。それを防ぐためにも、日中両国が協調してここで米ドル基軸通貨体制を支持を明確に示し、その上で東アジアにおける軍事的緊張の緩和を図るべきではないだろうか?

これをしないということは、日本人は自らの不作為により、世界戦争を容認し、誘発させていることになるのである。このことを良く考えねばならない。

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