沖縄問題、踏み絵を踏まされている Vol. 213
昨日のニュース報道で、鳩山首相が駐留米軍の抑止力についての発言をした。これはどういうことであろうか?抑止力とは何かの動きを抑止することであり、それは駐留米軍に当てはめれば、潜在敵国の軍事行動を抑止すると理解すべきである。それでは日本にとっての潜在敵国とはどこであろうか?ここで潜在敵国を特定することが必要となるが、自民党政権下ではこの点は一貫して曖昧にされてきた。即ち国民に対して、どの国が潜在敵国なのかを知らせないことで、この問題を避け続け、結果的に沖縄米軍の駐留先の移転問題を棚上げにしてきたのである。
それでは実際にどこの国が日本にとって潜在敵国であろうか?ここで戦後史を振り返れば当然出てくる対象国は、北朝鮮と中国となる。北朝鮮は未だに米国との間に終戦条約を結んでおらず、隣の韓国とは交戦状態にある。そして苦しい財政にも関わらず、軍事力の拡張を続け、弾道ミサイルや核爆弾を開発し続けている。そして時として、その攻撃目標が日本であることを示唆したりする、これははっきりといって日本にとっては軍事的脅威である。一方中国はどうであろうか、かつての文革時代の中国であれば北朝鮮と同じく潜在的脅威であったが、78年に開放改革、市場経済に舵を切って以来、今や世界の工場として、世界第2位のGDPを有する国家となろうとしている、完全な自由経済の主役となっている。そして日本を始め米国、欧州など世界中が中国製品に頼って生業を得ているのである。そしてその体制は磐石であり、今のところ同国が脅威となることは無いといってよいし、ましてや日本にとって同国を敵に回すようなことになれば、弱体化している日本経済の復活の可能性は皆無となってしまう恐れがある。
ここまで書けば、ハッキリするが、鳩山首相の言うところの抑止力とは北朝鮮に対する、抑止力なのである。そうなれば、沖縄県内に普天間基地を移設することは余り意味が無くなる。そして一方ではより北朝鮮に対峙すべき場所に米軍を移設することが必要となる。ところで今後6カ国協議などで、日本が中国としっかりと協調して、北朝鮮の動きを政治的に封じ込めることができれば、抑止力の維持を目的とした、日本国内における米軍基地の存在そのものも必要がなくなるのである。
今沖縄県内への普天間基地移設を執拗に訴えているのは、米国政府ではなく、ただ単に米軍(国防総省)の傀儡であり、出先窓口と成り下がった、自民党のみである。ここは彼等の主張を冷静に分析し、米国国民と国防総省の考えが大きく異なっていることをよく理解して、自主的な判断を下すべきである。
今日本人に国富を確保すべき産業がなくなりつつある、それはドルの価値が低下したことで、米国に商品を輸出しても儲からない構図となってしまったからである。それであれば、同じ形態の中国が体を張ってドルの価値を維持している間に、我国の国富の確保を求める対象国を米国から中国を主体とするアジアにシフトすべきなのである。これを今行わなければ我国の産業は衰退してしまうのである。
中国は長い間の石炭、石油を主体とする化石燃料依存体質から、脱却を試みているがこれはなかなかできない。インフラも産業インフラは整いつつあるが、生活インフラの基盤は脆弱である。この点で日本が協力できる分野は限りなく広く、大きいのである。
鳩山首相と民主党にはこの点をしっかりと理解して、長期的なビジョンで政策を進めて欲しい。今民主党政権下の我国がおかれている状況は、このまま米軍の駐留を黙認し、米国追従を続け他力本願に頼るか、厳しく茨続きながら、自らの道を開くことに将来を託すか、正しく踏み絵を踏まされている状況なのである。それならば、ここで敢然と勇気を持ってこの踏み絵を踏み自らの将来を自らの手に託することこそが必要ではないだろうか。
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