July 08, 2007

5億人のEUで官僚は僅か2万人 Vol.101

先のハイリゲンサミットに前後して、欧州憲法条約についての若干の修正がなされ、今後は憲法という名称を前面に出さないとの決定がなされた、オランダやフランスなど欧州の主要国で相次いだ欧州憲法条約の批准の否決がこのような変更をもたらしたのはあきらかである、しかしそれでも真の欧州統一に向って邁進しているのが今のEUである。ところで単一国家の日本から見ると欧州連合というのはどうもわかりにくい組織である。しかしながら今回のサミットにもバローゾ欧州委員長が参加したことでも分かるようにすでに欧州連合の存在は主要国の一国と同等として世界では認められているのである。現在日本円や米ドルの価値下落に対して、政治・経済が安定していると世界から認識され安定的に価値が上がっているユーロ、またその政治運営の実体はどのようなものであろうか?

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June 08, 2007

したたかヨーロッパ外交 Vol.97

昨日ハイリゲンダムG8サミットにおいて開催国であるドイツは懸案であった地球温暖化対策について、何とかアメリカも引き込んでの合意を成立させた。ヨーロッパ側からみると日本が当初の期待以上にアメリカ説得に尽力してくれたことに感謝しているものと思う。これは今後日本の機能がアメリカを説得させるための切り札となるかもしれないといった可能性を示したものとして注目している。その意味では安倍首相はナイスジョブを行ったのではないか?

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June 07, 2007

コムスン事件と環境問題 Vol.96

コムスンが厚生労働省から虚偽の申請報告を行ったことで営業停止の命令を受けたとのニュースが大々的に発表されていた。また本日の朝刊では厚労省のこの処置をあざけるかのように同社の親会社のGoodwillグループはコムスンの営業権を同じグループ内の別企業に譲渡して、コムスンを廃業するといった報道があった。あくなき金儲けへのこだわりに驚いている。最初にこのニュースを聞いたとき、すぐさまさもありなんと思った。以前より拝金主義的な経営が指摘されていた企業であったからである。コムスンは発足当初は心のこもった介護の会社であったと聞いているが、その後、人材派遣業の大手の一角であるGoodwill社が参加してからは、なりふり構わず利益を追求する会社に変貌したとのことである。最も真心が必要な業態において、拝金主義を標榜するのでは成功するはずはないと思う。ところで昨日からドイツのハイリゲンダムでG8が開催されている、皆の注目は地球温暖化対策での各国の大枠での合意を達成することであるが、これについて米国は経済活動優先の立場から合意を拒んでいるとのことである。ここで感じることはこの二つの問題はお互いに拝金主義を根っこに持つ点で同じではないかということである。

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May 26, 2007

バブル崩壊の失政の反省はなされたのだろうか?1 Vol.93

5月に入り天候も安定し、ここドイツも本格的な夏の季節となった。日本と違いうっとうしい梅雨がない欧州は空気も乾燥し、日本の五月晴れのような夏の日々が続き本当に快適である。またここドイツは東京や大阪のような巨大都市はなく、人口の絶対数がすくないのでストレスが少ないように感じている。当然のことながら犯罪はあるが、日本のように深刻に感じないのはこのような環境のせいであろうか?フランスの大統領が先日決まり、イギリスもブレア首相の退任が正式に発表されブラウン財務長官が政権をとることが確実視されている。昨年のドイツの首相交代以来の小さな政変劇も大過なく収まろうとしている。その上ドル・円に対してのユーロの上昇は、6月から始まる夏休みに世界各地にバカンスに出ようとしている人々に金銭的余裕をもたらし、ささやかな希望を与えている。先進国でもっとも通貨が安い日本などへグルメ旅行を計画している、ドイツ人やフランス人が多くいるのではなかろうか?2003年からこの地で生活しているが今欧州は政治・経済面でもっとも安定しているように思う。ドイツにしても長らくEUの基準であった昨年度の財政赤字がGDPの3%を下回ったことが確認され、これでEuro加盟国の条件を全うしたことになり、堂々とEUの盟主として振舞えることとなり、まことにご同慶の至りである。

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May 06, 2007

最近の円安このままでよいのか? vol.90

本日も愛読紙産経新聞のWEB版に最近の円安は行き過ぎであるとのコラムが出ていた。当方も同感である。直近のユーロの対円レートは163円であった。これはG7を毎年開催し通貨協定を結び実質その通貨の価値基準を1ドル=1ユーロ=100円として計算していることより考えると、なんと40%近く、切下がっていることである。これにより日本製品の欧州市場での販売は好調であったが、ここに来て息切れを示しているようである。たとえば車については、昨年までは日本の工場で製造し高品質と斬新なフォルムで好調だったマツダ社の販売が落ちてきている、一昨年前にはあちこちで見かけ、多くのドイツ人が羨望のまなざしで見ていたのである。ところが最近ではさらなる円安にもかかわらず、見かけなくなってきた。このことは円安だけで輸出はできないということを示唆しているではないだろうか。

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March 03, 2007

陰を売った男 vol.85

フランス人でドイツに移り住んだシャミッソーは1813年に「ペーター・シュレミールの不思議な物語」の中で陰を売った男を発表している。これは皆様ご存知の方も多いと思うが、どんなものでも望むものを得ることができる袋を自分の陰と引き換えに売ってしまった男の悲惨な物語である。目前の利益のために自分にとってかけがいのない分身である自らの陰を不用意に売ってしまった結果、当初期待していた幸せを得ることなど決してなく、結局は自分の浅はかな行為を後悔しつつ、人間が本質を知っていくというストーリーである。

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January 09, 2007

タロウのD通信第80号

――――― ドイツ在住4年目の最初に ―――――
早いもので2003年の9月に当地に居住以来、4回目の新年となりました。その間EUは地域共同体として紆余曲折はありましたが、確実に地歩を固めつつあるところは万人が認めるところではないでしょうか?90年台のソ連の崩壊後アメリカが唯一のスーパーパワーとして君臨していた時代から、今はその対抗勢力としてEUやBRICSが存在しております。その大きな変化のうねりの中でドイツに欧州に本拠地を置き現実を体感できたことは大いに幸運であったと思っております。

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December 14, 2006

タロウのD通信第78号

――――― REACH (新欧州化学物質規制法)の制定 ―――――
昨日2006年12月13日ヨーロッパの環境問題や化学業界の方向性に重大な影響を与える新法案REACH法がヨーロッパ議会にて採択された。これにより2018年までにその完全実施が義務付けられることになったと同時に過去20年に渡る議論に決着がついたことになる。このREACHとは、化学物質(Chemicals)を管理するために、登録(Registration), 評価(Evaluation),許可(Authorisation), するといった一連の手続きを法により実行することを意味しており、英語での表記 Registration, Evaluation and Authorisation for CHemicals のそれぞれの頭文字をとり、これと達成という意味のREACHを引っ掛けている。なぜこの法律が大きな意味を持っているのであろうか、背景も含めて筆者なりに考えてみた。

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September 18, 2006

タロウのD通信第66号

――――― ローマ法王の発言 ――――
先週ローマ法王が故郷であるドイツバイエルン地方を訪問した際、大学で行われた講演の内容についてイスラム教国家やキリスト教国家内からも数多くの批判・反応が出ている。これに驚いたローマ教皇庁は昨日声明を発表し、内容が正しく伝わっていないことを伝えるとともに法王自らが本件についての謝罪したとの報道が伝わっている。内容は法王がビザンティン帝国の末期の皇帝のコメントを引用し、イスラム教徒が聖戦(ジハード)を行う行為は非人間的で、邪悪であると暗に示したことによる。これに対して各国のイスラム教団体などから大きな、反響が出ているというのである。

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September 14, 2006

タロウのD通信第64号

――――― ビザンティン帝国 ―――――
最近になって欧州では改めて、ビザンティン帝国(東ローマ帝国)の存在を見直す機運が高まっているように感じている。これは同帝国が1000年以上も首都を現在のイスタンブールにおき繁栄してきたという事実とあいまって、ギリシア、ローマ系以外の他民族、他宗教にも寛容な政策をとり、皆が伍して平和に暮らせる国家体制を維持していたことに起因している。

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